秋の色


 秋の色とはどんな色だろうか?いにしえは「紅葉なす竜田の流れ」と詠われたが、この紅葉色が秋の色だろうか。10月末から11月にかけて用事にかこつけて、佐渡、岐阜(下呂・馬籠)、平泉中尊寺・毛越寺(岩手)と紅葉の名所を訪ねてきたが、ほんとに素晴らしかった。土地の人に聴いても今が盛りという。ほんとに素晴らしい光景だ。一般に赤は暖色系の色だと思うが、この秋色が寒色系に想われるのは、やはりあたりの環境に左右されること大だとおもわれる。でも数年前の10月初旬に訪れた乗鞍岳の紅葉とは趣が大変異なっていた。やはりホントの赤い、黄色い紅葉はある程度高度がある方が強烈のような気がする。乗鞍岳は全山、これ真っ赤だった。小豆島の寒霞渓もやはり頂上付近に勝るものはなかった。

 小春日和と言う言葉を良く耳にする。春たけなわの少し前、まだ冬の厳しさも残る一日、風もなくほんのりと暖かい、睡気を催す。無知で馬鹿な次郎はこれが小春日和だと思い、確信していた。先日NHKのラジオで放送していた。なんとも恥ずかしいことだ。辞書をひもといたらちゃんとあるではないか。小春とは陰暦10月のことで、11月から12月にかけての、よくはれた暖かい日よりのことを意味する。ホントに馬鹿なダメ次郎、こんな常識も持ち合わせてないなんて穴があったら入りたい。

 秋の色はサン・ローラン色かもしれない。青児色(東郷青児)とも少し違う。いやむしろ夢二色の方がより近いかも知れない。高い山のはともかく平地の紅葉は緑のばっくに赤、黄が見られ、まざらな青の背景に黄と赤が浮かびあがってくる。落ち葉の一枚一枚の中に、色褪せた、原色でないほんのりとしたペイルな色合いのなかに、一抹のアワレを感ずる。それが秋の色なのだ。


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