アモイ紀行


 アモイは台湾の対面、亜熱帯地方に属するようだが、気候は温順冬は暖かく、夏はそれほど気温が上がらない。まあ云ってみれば常春の楽園と云ったところ。でもアモイ自体は経済特別区に指定され、ことに湾岸都市としてもその発展はめざましく大変豊かである。反面、丸金主義に陥り、治安も大変悪く、軽犯罪は云うに及ばず深刻な凶悪犯罪も散見されるようだ。どうも、豊かさと治安は反比例するようでもある。豊かさと治安は反比例するというのは矛盾しているようでもあるが、ここ中国は人口10億を越える超大国、まだまだ、貧しい層が多すぎるようだ。

 アモイは、魯迅も身を隠していた厦門大学がお勧め。古今東西の技術が結集したような校舎が続くキャンバスは、山と海に面した素晴らしい環境にある。人類博物館も有名で、晴れた日には留学生楼(泊まれる)の屋上から台湾の小金門島、大担島も見えるという。夜、全面には海と空とが一つになって黒綿のような夜色に包まれる。後面には、南普陀寺の瑠璃灯が光る。大変エキゾチックな光景である。

 コロンス島観光もアモイから切り放すことは出来ない。奇麗な町並み、カートを利用して島内めぐりにいきたいものだ。カートは増えて予約なしでもOK。

 一般的に云って、海鮮料理は日本人の口に合うようだ。巨大な伊勢エビなど大味に違いないが豪快なものだ。アモイのような南の街は観光客の多い所ではよくガブトガニが食されている。カブトガニを扱う屋台は数十軒以上もあり、ここでは毎日供されているそうで、その数1日に数百匹にのぼるとか。外国人(特に日本人も多いとか)もよく来るそうだ。まあ、ここら当たりではカブトガニも沢山とれ、日本のように保護動物(天然記念物)に指定されているようでもなく、あまり神経を使わず食した方がベターのようである。値段も大きなモノで一匹150元(日本人価格・現地人では20元ぐらいらしい)ぐらいでまずは妥当なモノ。腹部にタマゴをたらふく溜め込んでいるが、あまり美味なるモノではなさそうだ。貝類もその種類は豊富だ。直径20cmを越すドブ貝は見事だ。大味には違いないが、それほど不味くなかった。しかし、暖かい土地柄食中毒には十分気を使わなければなるまい。ことに、お造りは問題含みだ。

 厦門では福州語(福建省南部の方言)を話し、台湾で話される同じ方言である閧(門構えに虫)南語と全く同じであり、台湾本省人のルーツ(本省人の中には、広東省出身の客家や先住民族である高山族もいるが、絶対多数を占めるのは閧南語を母語とする福建南部出身者)の地でもある。福建人と華僑はまた切り放すことが出来ない関係にある。シンガポールでゴム園を経営成功して今日に学校(集美中学)を寄付したものや華僑に纏わる話は多々あるようだ。

 武威岩茶の本場らしく、町中には茶芸店がよく見受けられる。ことに街中では茶芸が盛んなようで中には大紅袍(マッチ箱大で100元)も試飲出来るようだ。茶葉を急須に入れる時、お湯を高いところから注ぐ、まるで軽業か手品のような仕草だ。これは急須に注ぐ湯の圧力で葉を押し広げるためだそうで、最初の急須のものは別の急須に移しこれは渋味があるので飲まないで捨てる。次のものから試飲するが、湯飲みは日本の玉露茶碗の如き大きさ、形で、なかには筒型もある。茶を飲む前後にお湯を飲むとほのかな香りと甘味が感じられる石菊茶や日本では味わえないウーロン茶は流石本場の茶芸である。ション便小僧の素焼きの玩具も有名いだ。この小人形に熱湯をかけるとション便を勢い良くトバスという。目の前で実験してくれたが、なるほど1m近くもぶっ飛ばした。

 茶芸館では大紅袍も飲ませてくれるが、これらは一部大紅袍が含有しているだけで、しかもその大紅袍さえ、オリジナルではなく孫の孫だと云われている。ほんとの大紅袍なんて伝説中の伝説となっているようだし、もうすでに老樹で昔の香ばしいモノはもはや存在しえないようだ。コロンス等の海岸でチャイしたが、大紅袍20g100元だったが、特別美味しいモノではなかった。確かに20gr100元は少し高いようだったが、5〜6人で飲めば一人頭200円ぐらい、コーヒー(インスタントのネスコーヒー)より安かった。

 アモイの夜は書かない方がベター、カラオケ、舞庁、スナック、バーが街中溢れている。アモイの夜は香港、ベトナム、バンコック、台湾よりもデカダン的だった。


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