KIX-IST 飛行ルート(トルコ航空直行便)


 飛行機に乗っても、後何時間とかいつも気にしながら搭乗しているのが関の山である。最近流行のナビゲイターを見ていても、ははこんなところを飛んでいるのだなと言う程度の認識ぐらいしかなかった。普段は飲み馴れないワインなんか鱈腹のんで、ぐうぐうやっているのに、今回 kix-ist の直行便に乗り合わせ、恵まれた天候のもと、高度11400mにしては、地上の状態が手にとるようにハッキリと認識できた。

 関空を飛び立った飛行機は瀬戸内に入り、岡山あたりで中国地方を横断、日本海に出てそのまま韓国の慶州あたりで朝鮮半島を横断した。朝鮮半島を横断するなんて思ってもみなかったが、これだと随分時間も短縮されるに違いない。SKYLIFE(トルコ航空の機内誌)の飛行ルートをみても、ほぼ直線的に地球を横断している。僕は初めヒマラヤの南側を迂回して飛ぶのかなーと思っていたが飛行機は実際真横に経度125゜から30゜間までほぼ地球半周以上とんだ。イスタンブールの緯度も日本の青森とほぼ同様の41〜42゜なので、ほぼ直線的に横に飛んでも不思議ではなかったのだ。

 朝鮮半島を離れた機は、そのまま東シナ海に入り、大連沖を通って天津付近で中国大陸に上陸、ここより北上して北京付近から航路を西にとった。北京を離れた機は張家口より集寧をえてからゴビの砂漠にはいるが、ゴビ砂漠の南端、オルドスの北縁を緩いカーブをとりながら、あたかも万里の長城を視察するかのようにこれに寄り添いながらとびつづけ、フホホトから包頭、銀川、酒泉をえて玉門あたりからすこし北に航路を変える。やがて機はハミあたりからタクマラカン砂漠にはいるが、こんどはさばくの北端つまり天山南路の真上を飛行した。タクマラカン砂漠が箱庭の如く手にとるように良くわかった。砂漠の中の川や道が幾何学模様をなして、ほんとにきれいだった。オアシスの点在もほぼ特定された。

 やがて機は、カシュガルから北上ぎみにキルギス共和国に入りタシケントをえてさらに西に向かう。ウズベク共和国アラル海の南方ヌルクを通過した機はトルクメン共和国クラスノボックあたりでカスピ海を横断、バクーの北方テルペンからグルジャのバツーミで黒海にでた。タシケントあたりの不毛の土地の色は全く灰一色で、いろんな形の山並みがみられるが、道筋一本みられるわけでなく、すべて単一変化無く死の世界の、不気味な静の世界だ。タクマラカンやゴビの砂漠の方が茶色いながらも変化があり、まだしも生の世界に近いものに違いない。

 黒海はなぜ black sea と表現するのだろうか。キルギス・ウズベク・トルクメン・グルジャと灰色一色の不毛の土地を飛んできた来たものにとっては、黒海は緑溢れる、紺碧の生命溢れる海だった。機はしばらくは黒海南岸を湾に沿い飛行していたがやがてアンカラからイスタンブールへと最終ルートに入っていった。


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