獄中日本人4人の叫び(囚われの日本人旅行者)
1992年に旅行先のオーストラリアでヘロイン密輸容疑で逮捕され、オーストラリア内での裁判で懲役15年の刑が確定し、無実を訴えつづけている服役中の日本人がいるという。シンガポールやオーストラリアは特に麻薬に絡む犯罪に厳罰を持って厳しく処せられる。犯罪の意思はどうであれ、結果を持って処せられるので、注意の上にも厳重な、保身の術を講ずべきだ。
話はこうである。日本人の40〜60代の男女4人は、他のグループの参加者3人を加えた7人でオーストラリア旅行を計画し旅立った。 途中、中継地のマレーシアのクアラルンプールで食事中に、この4人がスーツケースを盗まれてしまった。 その後、4人はガイド(旅行社)が用意した新しいスーツケースで旅を続け、到着したオーストラリアのメルボルン空港でこの4個のスーツケースの二重底から計13キロのヘロインが見つかり、ツアーの主催者と一緒に逮捕されたということだ。
不自然と言えば不自然である。始めから仕組まれた罠か、はたまた、偶発的に引き起こされた事件か。謎の大きな事件であった。オーストラリアに限らず、麻薬に絡む事件は厳罰を持って処せられるのが一般的社会通念であるが、ことの真偽が判然としないようだ。4人に新しいスーツケースを渡したマレーシア人ガイドは、事件の背景に地元のギャングが関与していることを臭わせているそうだが、なんとも不可解な事件だ。
伝えられる情報だけでは、ハッキリしたことは窺い知れないが、日本人の4人が15年の禁固刑が確定し現在なお服役していることは事実である。日本人の冤罪を晴らすため、日豪両国で弁護団が結成されたが、日本人の無罪を証明する手だてがない状態では、全てがお手上げだ。とにかく麻薬に絡む事件は不注意ではすまされない。
日本人の安全志向は、誠に結構なことだが、世界的趨勢からは時代遅れなものであり、麻薬の弊害に悩む国にとっては、一事が万事を制するで致し方ないことだ。スーツケースの盗難から別のスーツケースが渡された、この時点にキーポイントがあることにはまちがいないだろうが、なにごとも不自然な連続の出来事に危機意識を持って処さねばならない。日本人の安全神話は、世界ではもはや通用しないことを肝に命じる必要があるだろう。