キャッチバー
「キャッチバーには気をつけろ」
ローマは共和国広場で地図を持ったブラジル人に声をかけられた。「ビールを飲めるブラジリアンバーを探してるんだけど、英語が通じなくて困っていたんだ。」一緒に捜して欲しいとたのまれた。その店はすぐ見つかった。
「私の父はUCCに勤めている。カズは小さいとき1人でブラジルにやってきてサッカーを学んだ」 とかなんとか宣い、気のいい兄ちゃんのようだが、「一緒にどうか」と誘われ、ちょうど一杯飲もうと思っていたので一緒についていくと、
一軒の怪しげなバーに案内された。店にはいると彼らは一杯のビールだけ飲んでいつのまにか姿を消していた。中東系の浅黒い若いおネイちゃんがソバに来て色々話しかけるがさっぱり理解できない。大きなフルーツの盛り皿やキャビアやいかにも、高価そうなオードブルが出てきた。これはすこしやばいぞと思っているといると、シャンペンが運ばれてきて、あっというまに開けられてしまった。
ボーイがホステスのおネイちゃんにドリンクを持ってきていいか一応打診してきた。慎太郎さんじゃないが、ハッキリNOと言えない日本人まあいいやないかと、あやふやに頷くと、おネイちゃんは嬉々として、乾杯としてグラスをあわせた。他には客がなさそうだし、さきほどのブラジル人の顔も見当たらない。だんだんやばい雰囲気になっていった。
いざ勘定するダンになると、請求は80萬リラ(55000円ぐらい)にチップ20萬リラ(15000円)という。鼻の下を伸ばして、ついていったのがこちらの責任、相場としては随分高いもののようだが、いたしかたあるまい。銀座や北の新地に比べりゃ、まだしも適正価格かも知れない。イスラムらしき女性のサービス付きではたいへんチープかもしれぬ。
まあ何事も経験、ロンドンはソーホーやパリのあやしげなムーランリュージュあたりのバーでのシャンペンより随分と安価なモノだった。