掏摸(空港)
1999年末はコンピュター問題とのかかわり合いもあって、今年は、年末年始にかけての海外旅行も敬遠する方が多かったようだが、普段、殆ど出かけないのに、この時とばかりに出かけられた方も多かったようである。
次郎さんの仲間の2人組、大阪の旅行社の主催する除夜の鐘を寒山寺で突く、上海、蘇州、無錫、南京5日間の旅に参加された。
総勢21人のツアーでさぞかし楽しかったに違いない。ところが参加者のFさん、到着と同時に上海空港でショルダーに入れていたポシェットをすられてしまうた。まさかスリなんてこんな立派な国際空港にいるなんて考えにも及ばなかったようで、必要以上に体を押しつけてくるのにと不思議に思っていたそうだ。ポシェットの中にはパスポートは勿論、クレジットカード、現金その他重要なモノばかり全て入っていたそうである。
中国はもう昔の良き時代の中国とは全く違った国になっているのだ。このFさん、生来のお人好し、他人を疑うことなんてようしない性格、狡賢い次郎なんかとは雲泥の差だ。必要以上に押してきたりしたら、何かあるなあと疑ってみなければ。海外は恐い、日本とは違うのだ。
楽しい旅が一変奈落の底にたたき落とされた。ざまみろ、世紀末に暢気に海外旅行としゃれ込むからだとは、次郎は決して思わなかったが。とにかく大変、盗難届やらパスポートの再交付とか、いろいろ後始末のため、グループから離れ1人寂しく上海の日航ホテルに留まったらしい。しかし、事件は年末の30日、領事館は3日まで休館、気は焦るがどないもしようがない。
結局領事館で出国許可書が交付され、一行より遅れること2日、1月5日に帰国できたようだ。怪我の一つもせず無事帰国できて何よりだった。