街のワル
 本当のトラブルは荒れくれ者の街欄州を列車で出た後にやってきた。列車のコンパートメントには広州に出稼ぎに行っていたというウイグル人が2人いた。彼らは北京語も話すので嘘をついているとは思えなかったが、ジュースはいらないかと聞かれた時には断った。ジュースやお茶の中に睡眠薬を入れられて目が覚めた時には身ぐるみはがされていたという話はよく聞く。しばらく話していて僕が夜にウルムチの街着くことを知ると「大きな街に夜に着くのは危ない。中国人の自分達でもそんなことはしない。」と言ってもっと手前にある小さな町を紹介してくれた。実際昼間のウルムチの対日感情や印象はとても悪いと聞いていたので彼らの言うことには説得力があった。彼らもそこで降りるというので一緒に降りた。駅から町までは1キロほどあったので駅前に待機していた乗合いタクシーに乗って町まで行くことにした。値段もぼられないようにと教えてくれたし、彼らが案内してくれた安宿は看板も出ていなくて、値段も中国の相場からすると高いものであった。彼らのマージンが入っているようだったのですがこれで今日は安心して休めるのならもういいいやと納得した。しかし、彼らはまだ帰ろうとせず、晩飯を妹の家でごちそうしたいとか言い出して、外に出ることになり、完全に向こうのペースにはまっていると感じがした。どうも怪しいので断わると、それならお茶ぐらいはと、レストランへ行った。お茶が出てくるのに妙に時間がかかっていたので、そのお茶は飲まないようにして、甘すぎて口に合わない、僕の分も飲んでいいとそいつらにわたすとやはり飲もうとしなかった。何とか彼らから逃れなくては、それにしても荷物は彼らの知っている宿、相手は2人組み、気づいた時には手後れのようであった。絨毯屋にも案内されることになったが、もう断れない雰囲気になっていた。そこで買えば彼らにマージンが入って開放されるとも思ったのだが、値段はとんでもなく高価であったので、金がないと言って店主の勧めもなんとか切り抜けて宿に戻ることが出来た。しかし、彼らはまだ帰らず、いわば密室状態で、そして最後に言いだした。「きょうはいろいろおまえのことを助けてやったんだから今度はおまえが俺達を助ける番だ。俺達は金が必要だ。」と。もちろんチップ程度のじゃり銭では引き下がってくれません。脅されている状態になったがまだナイフは出ていなかったので、ここでもかなりねばって自分がいかに金を持っていないかをアピールし、そして300元(4000円)までわたした時点で、これ以上取られたらウイグルまで戻れないから別の助けが必要になるといってなんとか帰ってもらった。油断したおかげで恐い目にあって300元失なったが命は助かった。ありがたやありがたや。
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