アセタゾラミド(アセタゾールアミド)acetazolamide


最近旅行記なんかで、ダイアモックス高山病の予防薬としてあるいは治療薬として用いられている事例を良く見かける。クスリを飲めば安心だがダイアモックスは決して高山病の予防薬でも治療薬でもない。安易に使用することで、むしろその副作用の方が心配だ。以下ダイアモックスについて参考文献等を提示するので読者の賢明なる判断を仰ぎたい。

ダイアモックス Diamox (レダリー)
 (錠:250mg 末:98〜102% 注:500mg/V)
アセタゾールアミド、アセタモックス、ドンモックス、ベタウレール

ダイアモックスは水に溶けにくいが、そのナトリウム塩は水に溶けやすい。

もともと緑内障、てんかん、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群等に用いられるが睡眠時無呼吸症候群、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善にももちいられることがある。

【作用】

 生体に存在する炭酸脱水酵素の作用を抑制することにより、眼圧低下、中枢神経系の刺激伝達抑制、及び利尿などの作用を示すが、医薬品として特殊なもので安易に使用するようなものではない。

【禁忌】

1) 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のあるもの 
2) 無尿、急性腎不全 (排泄遅延により副作用が強く現れる) 
3) 高クロール血症性アシドーシス、体液中のNa・Kが明らかに減少 (電解質異常が増悪) 
4) 副腎機能不全・アジソン病 

〔長期投与禁忌〕慢性閉塞隅角緑内障 (緑内障の悪化が不顕性化)

【適応】

高山病の適応は認められていない。安易に用いるときは重大な副作用に注意が必要である。

【相互作用】 

〈併用注意〉

1) 降圧薬、ジギタリス、カルバマゼピンの作用が増強する 
2) 糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTH:過剰のK放出を起こすおそれがある 
3) 塩化アンモニウム:本剤の効果が阻害される 
4) 大量のビタミンC:腎・尿路結石が起こりやすい 
5) フェノバルビタール、フェニトイン等との併用例で、クル病、骨軟化症の報告 
6) アスピリンの大量投与により本剤の副作用が増強するとの報告 

【慎重投与】 

1) 進行した肝硬変症 (肝性昏睡誘発) 
2) 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症 (急激な利尿が現れた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発) 
3) 重篤な腎障害 (排泄遅延により副作用が強く現れる) 
4) 肝疾患・肝機能障害 (肝性昏睡を誘発) 
5) レスピレーター等を必要とする重篤な高炭酸ガス血症 (アシドーシスを進行させる)
6) ジギタリス剤,糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者 
7) 減塩療法時 (低ナトリウム血症を起こす) 
8) 高齢者 
9) 乳児 

【動態】 

 ダイアモックスのTmaxは2〜4時間 (5mg/kg、経口) で、T1/2は約10〜12時間位で、排泄は24時間以内にほとんど尿中に排泄される。

【注意】 

1) 連用する場合には電解質失調があるので定期的に検査が必要である。 
2) 降圧作用に基づくめまい、ふらつきが認められるので運転等注意。高山病に使用するときは特に注意が要する。
3) 他の利尿薬 (ループ利尿薬) でテルフェナジンとの併用によりQT 延長、心室性不整脈を起こしたとの報告あるので本剤投与中はテルフェナジンを併用しない。
4) 本剤とアステミゾールを併用すると、QT 延長、心室性不整脈を起こすおそれあり、アステミゾールを併用しない。
5) 注射による投与は経口投与が困難な場合や、緊急の場合、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ行うこと。また、静注を原則とする。なお経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には速やかに経口投与に切り替える。静注により、血管痛、注射はできるだけ緩徐に行う。筋注により注射部位に疼痛が現れることあり、夜間の休息がとくに必要な患者には、夜間の排尿を避けるため午前中に投与することが望ましい。 

【副作用】 

〈重大〉

1) ショック (不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等の異常)等来したときは中止し処置 
2) 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症 (前駆症状は発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状) の重篤な血液障害、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少等の時は中止等処置
3) 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群) 、中毒性表皮壊死症 (Lyell症候群) (発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等) 等を見るときは中止し処置 
4) 急性腎不全、腎・尿路結石 (血尿,結晶尿,乏尿等) 時は速やかに中止 
5) 精神錯乱 

〈その他〉

1) 代謝異常 (代謝性アシドーシス、血清Kの低下等の電解質失調) (高尿酸血症)時は減量又は休薬等処置 
2) 皮膚 (光線過敏症)  
3) 過敏症 (発熱,発疹等) の時は中止 
4) 消化器症状 (食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、便秘、味覚異常等) 
5) 精神神経 (四肢の知覚異常、めまい、頭痛、興奮、いらいら感、うつ状態、傾眠、見当識障害等)  
6) 眼 (一過性近視等) 
7) 腎・尿路 系症状(多尿、尿糖) 
8) その他 (倦怠感) 

【高齢者への投与】

急激な利尿の変化により、血液濃縮、血漿量減少で血栓塞栓症を侵す危険性がある。

高山病
高山病 2
高山医学(日本登山医学会)
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