旅の楽しみX(補遺)
旅の食い物 2
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(旅の食い物)
昆虫食
「昆虫を食べる」と聞いただけで嫌悪感を表す人も少なくないでしょう。しかし、昆虫は食材資源として考えた場合、実はとても有益なものなのです。石器文明の頃、人類は一部農耕を始めていたことが最近の研究で判明していますが、食材を確保する手段で大きなウェイトを占めていたのは狩猟でした。しかし、狩猟は獲物が獲れないことも少なくなかったのです。その点、昆虫は大型動物に比べて捕獲も容易で量も豊富です。そして、栄養価においては、大型動物にも負けないほどの高いたんぱく質を有しているのです。
虫が住み着く、ということは、その家が「生物全般にとって住みやすい」ことを示すものであり、それゆえに、北欧諸国などでは、虫を家の守護神と見なし、虫がいないときはわざわざゴキブリなどを「プレゼント」することもあるそうです(すべてがそうである、というわけではありません)。昆虫食についても、日本人よりもずっと抵抗がなく、外国にはいくつもの「ゲテモノ食い」サイトがあり、高い人気を博しています。虫を毛嫌いする理由に、「不潔であること」を挙げる人は多いですが、伝染病の流行った明治大正までならいざ知らず、今ではその汚れ具合は「洗わない手」とさほど変わるものではないと言えます。昭和40年代まで、日本でも虫の存在に比較的寛容であったことを考えると、今の虫嫌いの風潮は、殺虫剤のCMや、主婦の主観によって増幅された、ある意味理不尽なものと言えなくもないでしょう。本来、虫は、あらゆる動物の中で最も普遍的な存在であり、ゆえにそれを喰う「昆虫食」も、古くから普通に行われてきました。牧畜や農業が行われる前は、人間は「狩猟」をして生きていたと言われていますが、その対象の多くは虫そのものであったと考えられています。日本人のご先祖様である縄文人も、虫を主食代わりに食べていたようです。
人口爆発が叫ばれて久しく、食材の値段も漸増しつつあるいま、昆虫食が近年見直されている、という報告もあります。「未来の食事はその多くが昆虫食になる」と極論をぶつ学者もいるほどです。
毒毛を持つ毛虫などを除いて、ほぼすべての昆虫は食べても害がなく、またたんぱく質やミネラル分などの栄養素が豊富に含まれております。生息数は無限に近く、繁殖力もきわめてすぐれています。いま仮に、世界中の人々が一斉に昆虫食へシフトしたとしても、なお余りある量を確保することができるとも言われているそうです。
フランスのエスカルゴも昆虫食の一バージョンだ。日本のナメクジと本質的には変わらない。TVで見たことがある。黒い絨毯の襲来、南米のジャングルの中での大群のアリの襲撃だ。見方によればご馳走が大量にやってくると考えればよいのではないか。これもTVで見た。飛びバッタの発生だ。地上の全ての緑を食いつくし不毛の土地に変えてしまうという。地球上に食料の不足している昨今、でも見方を変えれば、こんな大量の高蛋白質が向こうからやってくるなんて神の恵みかも知れない。このアリと飛びバッタともに毒性を持っているとは考えられないが。自然に生きる昆虫の中には、悪質な寄生虫を持っているものがあり、その中には、体内に入り込むと、そのまま人間の身体に住み着いてしまうものもあるそうですga
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食材の豊富な現代でもなぜ人は昆虫を食べるのでしょうか。一つは「食文化の継承」があります。日本では蜂の子やイナゴなどを珍味として食べている地方が存在しているように、昆虫を食材として昇華した文化を伝えているのです。
第二に「栄養価の高さ」があります。ある研究では「1キロの牛肉を食べるより1キロのバッタを食べる方が、栄養価が高い」という結果があるように、昆虫は栄養価に優れた食材であるといわれています。しかし、牛や豚などに比べてサイズが小さいのが昆虫の食材としての欠点ともいえます。
第三には「美味しいから」という理由があります。昆虫食が栄養価だけは高くて食用とは言い難い味ばかりであったら、既に廃れてしまっているでしょう。しかし、現代でも昆虫食が受け継がれているのは他の食材に負けない美味しさを持っていること、不味くて食用にならないものは淘汰されてきたからではないでしょうか。
食用にされる昆虫の中でも、世界的に食用とされているのはイナゴとセミではないでしょうか。イナゴは、旧約聖書に登場する洗礼者ヨハネが常食していたとされていることから、食べることがタブーではない地域が多い昆虫と言われています。また、イナゴの大発生によって麦や稲などの主食を食い尽くされてしまうので、非常時の食料として食べられてきた経緯を持っています。セミも、各地で食料として食べられてきた昆虫の一つです。セミの一種で日本を中心に生息するアブラゼミが「食べた時脂っこかったからアブラゼミ」と言われているように、食文化から名付けられたと思しきものもあります。昆虫食は、食文化だけでなく生態学や民俗学などにも大きな関わりをもつ文化なのです。
では、世界中ではどのような昆虫が食べられているのでしょうか。厳密に言えば、昆虫は基本的に「体が頭部・胸部・腹部に分けられ、胸部に対六本の足を持つ虫」が分類されていますが、ここでは、その他の虫も食用の昆虫に含めています。
イナゴ
人類が農耕を始めたことで、イナゴは食料を食い荒らす害虫であると同時に食用昆虫として、人類の食文化に密接に関わってきました。日本では珍味のイナゴの佃煮として食べられています。
蜂(蜂の子)
生でもOK。炒めたり、煮てもよい。ただし捕まえるときは親蜂に刺されないように注意すること。スズメバチは、時として人間の命を奪うこともあるほどに獰猛な昆虫ですが日本においては珍味として珍重されてきました。巣ごと燻して無力化したスズメバチは、成虫を佃煮に、幼虫を蜂の子にして食されています。
サザムシ
長野県では、トビゲラ・カワゲラを捕らえて佃煮にしたものを「ざざむし」と呼んでいます。トビゲラ・カワゲラの個体数の減少により現在では高級珍味として扱われています。
タガメ
辺に生息する昆虫の中でも大型とされているタガメは、主に東南アジアで食用とされています。タガメには独特の芳香があり、タガメを漬け込んだ醤油は一度使ったらやみつきになるほどと言われています。
ゲンゴロウ(げんごろう)
九月、田のこいを揚げるときに、げんごろうもたくさんとれる。つややかな羽をひろげて飛んでいってしまうので、ふたが必要である。その羽をもぎとって、焼いたり炒ったりして塩味で食べる。すずめ焼きの味がするといって珍重される。
アリ
集団行動をとる昆虫の中でも、最も洗練されているといわれるアリも人間に掛かれば食用昆虫になります。アリの中には蜜を体内に蓄積する種類もいて、デザートに食べられることがあります。
蚕のさなぎ
養蚕の盛んなこの地方では、肉や魚のかわりに蚕のさなぎを、ごくふつうに食べる。春蚕や秋蚕上がりに近くの製糸工場へ行くと、さなぎを分けてくれる。たっぷりのお湯の中で一度ゆでる。これを砂糖少しと醤油で煮つけて、からからになるように仕あげる。こうしておくと保存もきくので、ときどきごはんのおかずとして利用する。
蚕蛾の雄
さなぎからかえった雄の蛾をつくだ煮にしたものは「まゆこ」といい、珍重される。雄の蛾は蚕種業者から譲ってもらう。
蚕のさなぎ
売りものにならないびしょ(薄い繭)から糸をとり、玉繭(さなぎが二ひき入っている繭)から真綿をつくる。このときにでるさなぎは、煮つけておかずにする。
カマキリ
羽をむしってから焼いたり、炒めたりしよう。煮てもよい。ふつう羽と足を取って空揚げが最も食べやすい。線虫が寄生している個体が多いが毒ではない。気になる場合は開腹して除去するといい。
秋季の卵を孕んだお腹の大きなメスとの出会いは幸福な瞬間といえる。さっと揚げて頭部を持ち手羽元を食べる要領で腹部をかじる。卵のクリーミーな甘みが絶妙である。
また卵嚢を冬季に採集しておくこともおすすめする。春になるといっせいに孵化するので、塩・コショウをさっとふって躍り食いするといい。春の醍醐味である。野草などと合わせてかき揚げにしてもうまい。
クモ
クモは、益虫であると同時に害虫として扱われていますが食用としても非常に有益な虫です。足を取ってから食べる。味はチョコレートそっくりだというが。クモは昆虫とちがって外皮が柔らかなのでとてもたべやすい。お勧めは晩秋のジョロウグモのメスである。黄色に真紅の結婚色があざやかなクモで、わりあいまとまって網を張っているので大量捕獲もできる。空揚げにすれば足もパリパリ香ばしく食べることができる。しかも長い脚の形が揚げると様々で、変化の妙を視覚でも楽しめる。外皮がやわらかいのでゆでても美味しい。さっとゆでても赤や黄の体色は消えない。塩・コショウでいただく。淡泊で癖がなく、卵がつまっている場合は一定の歯ごたえがある。チョコレートの味がするという風評は嘘で、つぶしたときに出るどろっとした体液がチョコレートを連想させるためだろう。
サソリ
尾の針に毒を持つことで知られるサソリは、中華料理の薬膳の材料としても用いられます。油で素揚げしたサソリは、スナック菓子のような食感を持ちおやつ代わりに食べられています。
ミミズ
ハンバーガーチェーンの都市伝説にも登場するミミズは、実は食材としては牛肉にも負けないほどの栄養価を持っています。ミミズは釣り餌や漢方薬にも使われています。
ハエ
ハエは食べ物に集る性質を持っているため嫌われていますが、ある種類のハエは食用として清潔な環境で飼育され食用昆虫として扱われています。食用になるのは成虫ではなく幼虫とされています。
カブトムシ
幼虫の焼いたものは香りもよく、一度食べたらやみつきになりそう。成虫は羽や足が焦げる程度に焼こう。昆虫の味は餌に左右される場合が多い。カブトムシはその典型といえる。成虫はクヌギなどの樹液を好むため臭みはほとんどない。飛翔筋が発達しているので胸肉が美味。ホイル焼きなどして楽しもう。これに比べて幼虫は一見ぷりぷりしてうまそうに見えるが、腐葉土臭がひどくてそのままでは食べられたものではない。内臓をよく洗い、塩とおからを詰めて1週間ほど臭みをぬき、もう一度よく洗って今度は塩と唐辛子など詰めて本漬けする。こうして1ヶ月漬け込む。これでなんとか食べられるようになる
クワガタムシ
カブトムシと同じようにして食べる。成虫はカブトムシとほとんど同じ味だと思えばいい。幼虫となるとまったく別である。本種の幼虫は主に朽ち木を食べて育つ。したがってカブトムシのようなひどい臭みはない。揚げたり焼いたり炒めたりして普通に食べることができる。
カミキリムシ
幼虫はテッポウムシという。生でもいけるし、焼いてもよい。生のあじは刺身のトロに似ている。本種は昔から昆虫食の王様と言われている。宜成るかなである。彼らは生木に孔を開けて産卵する。孵化した幼虫は生木をまっすぐ食べ進む。弾丸が貫通したような孔を開けるのでテッポウムシとも呼ばれている。かつては薪割りなどでよく見つかったが、いまでは採集が困難である。ゆえに夢の食材といえる。食べ方はクワガタムシと同じである。
シロアリ
生のままが最高。太くて古い幹にいっぱいいる。本種は試す機会に恵まれていないのでコメントできない。ただし文献によれば栄養的にも味覚的にも優れた食材であることは確実である。
ムカデ
あまりおいしくはないが、唐揚げにしてみよう。本種は付け焼きがうまい。大型は串にさして焼いてもいい。お好みのタレをからめて焼くと香ばしい匂いが食欲をそそる。いくらでも酒が飲めてしまう珍味である。
サクラケムシ
唐揚げがよい。エビの唐揚げのような味がして絶品。本種は何らかの条件下で集団移動する。時として幹が埋め尽くされるほどの集団となって別の木へ移動する。このときは一網打尽である。やはり揚げるか炒めるかが基本だ。
イモムシ
焼いて食べる。ポンと皮がはじけたら食べ頃だ。さなぎになる直前の芋虫は外皮の内側に油がのって旨い。そのまま熱を通すとせっかくの中身が飛び出てしまうので、お尻の先を小さく切っておくことが大事である。そうすればはじけることもないし、味もよく染み込む。