ワインセラー騒動記
ワイン歴6カ月の18才次郎さんのワインセラー建設奮闘記。笑ってやってください。
ガレージの必要性から、丁度古屋を壊した空き地があったので、自宅横に新設することにした。でも、なんぼ田舎でも、車庫だけではもったいない、土地をもっと有効に利用しなくては、また道路の拡張でもっていかれる、取り壊せねばならない家の書斎の書籍類の新しい保管場所も必要だし、車庫の上に書籍庫を乗せることにした。でも取り壊す書斎は小さいながらも四畳半4部屋、新しい方は、少し広いめ(49ヘーベ)なれど、一部屋では如何んともせんである。つまり書庫の上は2階分、つまり三階建てにした。はじめは、単なる物置、倉庫のつもりが、やがて書斎へと変わっていったし、3階部分にはシャワー室もこしらえることになった。はやくせねば、家族からの注文が段々増えてくる。予算もかさんで実行不可能になるやも知れぬ。そうこうするうちに、家族から、同じ作るなら地下室を作って、ワインセラーでもしたらと提案あり、検討することにした。
でも、素人の哀しさ如何に対処したらよいかさっぱり判らぬ。だいたい、ワインセラーの温度を何度ぐらいに持っていったのかも判らない。はやりのインターネットで捜しても適当なものが見当たらない。
白ワインの飲むときの温度がほぼ7〜10度位だと言う。赤は15〜18度ぐらいだそうだ。もちろん、気温、湿度、あるいは料理によっても変わってくるだろう。でも保存しておくときと飲むときとはまた条件が異なるであろう。保存もしばらくの間おいておくのと、長期にわたり保存、熟成をめざす場合とはまた異なるようだ。いかに、温度設定すべきか、困ってしまう。何方かいい方法あればお教え願いたい。
ワインセラーなんてものは勿論、地下室なんてものも全く初めての経験、ここらはなにぶん、河下町、地下を掘れば、どんどん水がわいてくるだろう。素人なりに考えたのは、とりあえず地下一階分をほりさげる。鉄筋の枠を作り、コンクリで上下、側面を固める。ついで防水加工をして、そのうえから、壁面全部に発砲スチロールのような断熱材をいれる。その外側(内側に)に数センチの空間をいれ、木質系の材料で壁・床・天井をこしらえる。水滴が壁にたくさん付くだろうなあ。専門家が見ればおかしくて吹き出しそうかもしれない。まあいいや、なるようになるさ。
インターネットのワインのページをみると、ワインの保存は温度差のない暗いところにするのがよいという。ワインは、振動、温度、日光、湿度の影響を微妙に受けやすく、瓶詰めされてからも熟成を続けるワインは、保存の方法で味わいもかなり違ってくるに違いない。理想的な温度は14℃から15℃、湿度は75%とされているらしいが、温度が高いと熟成が早く進み、低いとなかなか熟成しないようだ。湿度も、低過ぎればコルクが乾燥するだろうし、高すぎれば特に悪いわけではないが、カビが生えて、ラベルがやられてしまうかもしれない。地下にセラーを作ると、湿度が高すぎて逆に湿度を防ぐ工夫が必要になる様である。またフランスボルドーのワイン作り醸造所の地下セラーは、湿度が100%近いそうで、普通、ボトルのラベルを貼らずに別に保管しているし、樽だと蒸発分も馬鹿にならないから、目ぶりしないぶんそれが良いのかも知れない。
しかし、冷蔵庫や冷蔵庫型のワインセラーはダメだと主張なさる方も結構いらっしゃるようだ。ワインは、理想の保存はなるべく、先に述べたように「振動が少なく、暗く、温度差がないところ」が良いようだ。適温にすることよりも、温度差が激しいことが嫌うようである。どうせ冷やしてのむのだからと何気なく冷蔵庫に保存するのはよくないようで、冷蔵庫は何度も開閉し、そのたびに中の温度が変化し振動もするので、ワインには大敵なのだという。単に戸の開閉ぐらいでそんなに温度が変化するだろうか。小さいスペースで、割合サーモスタットがきいて、良く恒温性が保たれているようにも感じるのだが。勿論、澱が舞ったり、液面が大きく揺れる程の振動は、何となく酸化を早めそうな気がするが、弱い微震動はどうなんだろうか。
冷蔵庫は勿論、それを改造して簡易ワインセラーにする案でも、コンプレッサーの振動を心配する者がとても多いようある。 でもフランス産のワイン、空輸は勿論、灼熱のインド洋をこえて、揺られ揺られて来るに違いない。たとえ空輸であってっも、乱気流にまきこまれないとは断定できないようだ。また、冷蔵庫では湿度も案外低く、温度がワインが熟成するには低すぎるので、冷蔵庫に入れるのは飲む前だけで、長期間保存には適していないようだ。また保存するときは横にするのが鉄則だ。常識のように考えていたが、しかし、かの有名なマット・クレマー氏(ワインがわかる本)によれば、「そんなことは無い、立てて置いて大丈夫」と主張なさっているようだ。瓶を立てている方がワインと空気の接触面は小さいかも知れないし、ワイン自体の対流も起こりがたいようだ。
また、箱に入れたり、新聞紙にくるんでビニール袋に入れるようにしたほうがよさそうで、裸のままで置くより温度が1℃から2℃くらい違ってくるし、温度の変化も少ないようだ。また、こんな理由で何年もの間熟成をねらって保存するときは、裸で置かないようにしたほうがよさそうだ。ワインの保存も結構難しいもので、「ワイン専用冷蔵庫で
は、一時的(短中期的)な保管は出来ても、熟成させることは出来ない」と言う意見が多く聞かれる。
でも、欲張りながら、ぼくのセラーの目的は中長期の保存を考えたい。少し若いので、飲みゴロまで数年間の保存するのは勿論、いや出来れば、数十年単位の熟成保存も狙ってみたい。よくどしすぎるかな。超短期(数日)的には冷蔵庫もあることだし、今はやりの音のでない、振動のないといわれる、セラーを購入しても良い。しかし、こんなにも苦労して溜め込んだワインいったい誰が飲むのやろなあ。こんな、どでかいワインセラーを作って、何を保存しようとしているのかねえ、じろうさん。次郎の現時点での手持ちのワインはたったの約19本、プリメールで預けているのが約50本、すべてが、たったこれだけ。もし計画通り、地下ワインセラー出来たら、何万本か保存できるスペースは充分とれるはずだ。勿論これをフルに活用する資金も余裕もない筈だ。まあ、出来上がったら、次郎のワインを部屋の片隅にでもおいて、残りのスペース友人に使って貰ったり、近所の酒屋さんに借りて貰おうかな。
さて、次郎さんの計画では、まず湿度が問題となろう。田舎の建築屋のこと、防水工事なんて巧くできるだろうか。以前防水工事(ベランダ)で酷い目にあったにがい経験がある。室内カビだらけで使用にあたわずなんてなっちゃたら、様にもならん。全く頭が痛いよ。これは除湿器をはりこもう。排水を厳重に管理すれば、問題をクリア出来るようだ。室内の照明はいかがなものだろうか。蛍光灯で明るすぎてもワインに悪い影響を与えるかも知れない。蛍光灯の光はそんなにエネルギーを持っているのだろうか。太陽光のようなことはあるまい。でも保険をかけて、これは、補助ランプでも付けて、薄明かりにでもしようか。地下室なら振動の点はまず合格かな。それにしても、地下室の温度変化なんかのdataがほしい。
いろいろ考えたが、残された命題は、結局如何に恒温性を保つかで、それも温度を如何にどの位に設定するかにかかってくる。この問題につきるようだ。いろいろ考えているとき、地下収納庫のユニットがプレハブメイカーより発売されていることを聞きつける。なるほどこれなら温度、湿度(防水)は巧く管理されているようだが。希望のサイズにはなかなかピッタリとはいかないようだし、建物の基礎との関係で随分と制約をうけるようだ。セキスイから発売されているマイセラーは思うようなサイズがないが最大限3坪サイズで、始めの計画の1/3位、でもこれだけあれば上等かも知れない。約6畳の部屋が全てワインセラーになるなら十分とするか。下手な防水工事や排水なんか考えることなく、ある程度信頼がおけるようだし、何分工期は短縮される。もっと詳しいdataがほしい。
このモノコックボディはレジンコンクリートで出来ており、一体構造をなすという。全て工場生産であり、勿論釘なんかは使用出来ないようだ。衝撃にも弱いようだ。でも取り寄せたカタログでは外気温30℃を越えてくるとき22℃位まで上昇するというし、反対に冬のさむい外気温0℃のとき8℃を呈するという。やはり地下室と言っても年間8〜22℃の変化があるようだ(除湿しないとき)。1日の温度差は2℃位に収まるようだが。この温度範囲は許容されるだろうか。湿度をもうすこし下げれば、温度ももう少し安定するだろう。でも理想の14〜5℃・湿度80%にはほど遠いようだ。
なんぼ狭い密閉された小さい部屋とはいえ、普通使われているヒートポンプ式のエアコンではそないに温度が下がらないだろう。うまくいったら18℃位までならOKかもしれない。しかし到底15℃は無理だろう。こんな状態で困っていたところ、知り合いからSANYOに小型冷蔵用のヒートポンプ式エアコンがあるという知らせを受けた。一応このカタログを取り寄せることにする。このセキスイマイセラーの中では少々不細工になるが一応配線も配管も出来るようだ。
12/8/99、今日は大安吉日地鎮祭(塩撒の日)で倉庫の新築工事が始まった。朝から快晴、ほんとに思うようなワインセラーが出来るのだろうか。屋敷のあちこち塩を撒いていた。あんまり塩を撒くと、土地が酸性になって湿気を呼び、ワインの保存に困るのにとも思うのだが。建設会社から3〜4人の人がやってきて何やら測量の真似事のようなことしていた。大まかな位置を決めいていったが、高さの水準なんかとらずじまいで、簡単な測量だけで、後は後日と云うことだ。いい加減なモンだが、いったい何時から工事が始まるのだろうか。午後セラーの天井にとりつけるクーラーのことで業者の説明を受けることになっている。業者の話では、一応前もって云ってくれれば壁にアンカーを打ち込んでおくとのよし、天井つり下げ式エアコンもOkとのことであった。また部屋内器具が割合小さなものが、ダイキンにもあるというのでこちらの方も検討することになる。しかも室内5〜20℃の範囲で設定可能という。でも、ダイキンではねえ、ダイキンでは今までに苦い経験が3度もある。最後の1回はつい最近のことだ。一部ハッチの大きさで業者と思い違いがあったので、後刻希望するサイズを伝えることにする。部屋の大きさは約6畳となった。2X6X2m位で、全てワインに廻すとどのぐらいのキャパシティになるだろうか。
勿論、コストだけ考えれば話にならん。どんな高い、高価なワイン屋さんに預かりを依頼してもこんなに費用はかからないはずだ。まあ、いってみれば男のロマンなのだ。最近はレベルの高いワイン屋さんも沢山登場なさって、品質の管理もグッとよくなった。しかし、フランスからの輸入の道中、暑い暑い赤道をどうやって越えてくるのだろうか。インド洋の荒波に揺られ揺れてくるだろうし、店屋を信用せんわけでないが、西日の射す店頭に高価なワインが放置されているのを見るとき、どうも不信感の方が先立つようだ。でも、可能ならば、自分自身で保存すれば、この上なく安心できる。これでだめだったら如何ともせんである。