エンゲルス係数
豊かさ(貧しさ)の尺度としてエンゲルス係数なるものが用いられる。生活費の中にしめる食費のパーセンテイジを示すもので、貧しい終戦後の日本では、この係数を少しでも減らすべく努力したものだが、いかんせん食うものが絶対的に不足しており、エンゲルス係数は常に90%を越えていた。こんな係数、どっちだってよい、腹一杯食えさえすればよいと夢見ていたものだ。
最近海外旅行して気づくのは、どこの国でも乞食が多いことだ。乞食の少ないと言われる日本でも、折からの不況でホームレスが激増している。豊かさのシンボルであるアメリカでさえ乞食はわんさといるし、ホームレスなんて、いくらいるかも分からないほどだ。ホームレスと乞食は本質的には異なるものだが、けっして褒められた状態ではない筈だ。
ところが、台湾には乞食が見当たらない。数十年前までは、良く見かけたが、最近では殆ど見かけることは出来ない。暖かい土地の肥えた台湾では、食料に恵まれて、かつその国民性から、良く働くし、かつ、勤勉さをもっている。温暖な気候と恵まれた食料のある国々では、必要以上(最低限の生活の維持)に、あまり働かないのが普通なものだが、台湾は、他の東南アジアの諸国とはだいぶ事情が違うようだ。10億を超える人口と食料不足でいつもピイーピーしている大陸とは、大いに情勢が異なっている。
この豊かな台湾ではエンゲルス係数が50%を超えるという。台湾人はグルメを好み、世界一贅沢な料理に拘っているようだ。粗末な食事で済ます、日本やアメリカと違い、それこそ毎日毎日、食にかけては贅沢三昧の生活を送っている。エンゲルス係数は必ずしも貧しさのバロメーターでは決してないのだ。台湾旅行してあやかりたい。