ヘロイン(モルヒネ)


 ヘロインとは、ケシからとれるアヘンを精製したものです。本来は強い鎮痛効果のある薬品、モルヒネの原料ですが、習慣性が強く、その乱用はとどまるところを知りません。

 ヘロインの摂取には主に注射器を用いるので、現在ではエイズ蔓延の大きな要因となっています。中毒性が非常に高いので、一度使いはじめたらだれもが中毒から逃れることはできません。

 ヘロインはもっとも激しい禁断症状を持つ麻薬のひとつです。それはヘロインには精神的な依存だけでなく、身体的な依存が形成されるからです。薬が切れると、全身がばらばらになるかと思われるような痛みがおそい、それゆえ禁断症状がひどくなると痛みや悪寒に耐え兼ねて、自分で自分のからだを傷つけ、暴れ回り、最後には精神に異常をきたします。まさに人格そのものを破壊する麻薬、それがヘロインです。真実の恐ろしさを認識したいものである。

 ヘロインの恐ろしさは、どんな人も決してやめられない(離脱)ことにあります。ゆっくりとした死への道筋をたどらせるヘロインについて確認したいものですね。

ヘロインとは

 ヘロインは何といっても乱用薬物の頂点に位置する物質で、アメリカでは乱用者に最も好まれている物質です。ヘロインは白色又は茶色い結晶性粉末で無臭、水によく溶ける苦味のある物質です(ヘロインが水に溶ける様子は、すさまじい程、速やかで、水面にヘロインが達したか否かの瞬間に水面を走り回って溶けます)。この物質の色は産地によって異なり、メキシコのものは茶色乃至は灰色、中近東及びアジアでは白色といった具合で、アジアのものは純白であるだけに純粋で、それだけ価格も高くなっています。

 ヘロインは化学的加工によりモルヒネから製造される物質で、モルヒネの誘導体ですが、モルヒネの3倍も強力ですし、中毒性もモルヒネに比べて非常に高い物質です。密売に供されているヘロインは製造工程に加えて、砂糖、タルカム・パウダー(目に蓄積して失明の原因になることも判明している)(タルカム・パウダーは、滑石と硼酸末の混合物に香料などを混ぜたもので、汗疹や爛れの予防に肌に付けるものであり、もともと体内に入れるものではない。)、エプソム塩、マンナ糖などの緩下剤、粉石鹸、キニーネ、ストリキニーネなどを混ぜ込んだりします。作用は殆どモルヒネと同じですが、より早く効き、且つ、効いている時間は短くなります。身体的な依存性は非常に高く、精神的な依存も存在します。他の如何なる麻薬よりも依存性が早くできあがります。

 モルヒネ(硫酸モルヒネ)は、歴史上最強の鎮痛剤と言えるでしょう。あへんの成分中、心地よさを感じさせる成分がこれです。多くのあへんアルカロイドがそうであるように、モルヒネも非常に強力で且つ中毒性も非常に高いものです。

 メキシコ、中近東、東南アジアなどで生育している「けし」から粗製の「あへん」ができ、「あへん」から、モルヒネが作られます。薬局で売られているものは(一般の市販薬ではありません。特別な処方箋が必要です)錠剤、カプセル、そして筋肉や皮下に注射できるタイプの液体のものもあります。純粋なものは、白色結晶性粉末で無臭ですが若干茶色がかったものや白色粉末のものもあり吸煙する者もいますが、あまり一般的ではありません。なぜなら、モルヒネは溶液として注射したとき最も強力な効果を発揮するからです。

 医学的に正しい処方をされたときに、モルヒネは激しい痛みを和らげると同時に、痛みに伴う不安を除去し、患者に対して心地よい眠りを与えてくれます。一方、中毒者にあっては、耐性が急速に進むため、摂取してもじきに普通の状態になってしまいます。3〜4時間もするころには、体が汗ばんで、イライラし始め、すぐに次に一発をほしくなるのです。薬をやめますと、体はゾクゾクし、暑くなったり寒くなったり突然変化し、悪心や手足の痙攣が起こり、そして一度にドッと発汗し、発熱し、震顫(ふるえ)を生じ、不安に悩みます。多量に摂取した場合や急性の中毒にあっては、瞳孔が縮小し、血圧が低下し、悪寒を覚え、ベトついて湿った青白い肌となり、ショック状態になり、意識が無くなり、昏睡状態に陥り、呼吸が停止して死に至る場合があります。 

向精神薬及びその他(LSD)の薬物

 向精神薬とは睡眠薬や鎮静剤などの総称で、バルビツール酸(ブロムワレリル尿素)という成分を含む医薬品をさしています。もともとは不眠やいらいらなどをなくすための薬ですが、これらも乱用すれば麻薬と同じ効果になります。

 向精神薬を乱用すると酩酊感が得られます。からだの緊張をときほぐし、リラックスした気分をもたらすのです。しかし乱用が重なると慢性的な倦怠感があらわれ、筋肉の運動機能も低下してまともに歩けなくなってゆきます。感情は不安定で妄想も現れ、突然凶暴になったりもします。

 これらの向精神薬と同様に、ある化学物質だけで作られた薬物がほかにもあります。例えばLSDの名で知られる幻覚剤もそのひとつです。ここでは本来、不安をなくすために開発されたはずの薬品が、どのように乱用され、人の精神を異常にさせてゆくかをみてゆきましょう。


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