ポリフェノール(ワインの功罪)


 赤ワインやお茶にはポリフェノールなる化学物質が含まれている。いわば渋みの元であるタンニンに代表されるようだ。その数、数千種にも登り、その化学構造中にフェノール水酸基が3個以上含まれる物質の総称で植物界に広く分布しており、色素成分のアントシアニン(ブドウ)やフラボノイド類(紅茶)、渋味成分のタンニン類(お茶カテキン)などがよく知られているようだ。
 ポリフェノールの有効性は体内での抗酸化作用にある。体内に取り入れられた酸素の一部は、有害物質である活性酸素となって組織細胞や遺伝子に作用し、さまざまな疾病の要因になると言われている。 血液中には善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)があり、悪玉コレステロールの一部が活性酸素により酸化され動脈硬化を起こすが、そこに抗酸化物質であるポリフェノールがあると、ポリフェノール自身が酸化され、コレステロールが酸化されないようにする。ビタミンCやビタミンEの抗酸化作用も同様である。ワインにはこのほかに、抗催癌作用の他、動脈硬化、老人性痴呆症、脳梗塞、リウマチ性疾患、心筋梗塞、 痛風、糖尿病などの予防に有効のようだ。つまり殆ど全ての悪い病気より保護してくれる。
 ポリフェノールはチョコレートのカカオ豆にも多量に含まれている。また、緑茶の飲む習慣のある地域では生活習慣病による死亡率が低いといわれ、あるいは、ワインの常用の習慣のあるフランスでは動脈硬化症が少ないとか、循環器病の発症が低いとか、ワインのポリフェノール(アントシアニン)やお茶(苦み成分カテキン類)の生理作用が見直されているようだ。
 諸悪の根元である、活性酸素は、体内のいたるところで悪さをするようで、シミ・シワ・たるみなどの老化現象、アトピー性皮膚炎・動脈硬化・糖尿病・白内障、時には、細胞を傷つけ、発ガンの原因になることもあるとさえ云われている。この恐るべき活性酸素は、ストレスや紫外線、食品添加物などの過剰摂取、激しい運動そして呼吸するだけでも発生する。
  ワインは、発酵や熟成の過程で、中に含まれているポリフェノールどうしが重合という化学変化が起こす。重合とは、ワインのアントシアニンやカテキンなどといったポリフェノールの分子同士が結合し、別の効果を生んだり、抗酸化力がアップさせることで、つまり時 間が経つにつれて抗酸化作用は増加する。 同じ銘柄のワインでは、年代が古い方が抗酸化力が高い、つまりポリフェノール重合体が増加しているようだ。
 ポリフェノールは温度の変化に強く、料理等で熱しても殆ど変化しないと云われている。このようにポリフェノールは良いところ尽くめであるようだ。かくして、ワインブームが到来したのである。

 でも、ポリフェノールの天然の分布はお茶やワインのみではない。広く緑黄野菜類に多量に含有しているようだ。ご存知のように、ワインにはアルコールも多量に含まれ、アルコールは酸化を促進し、ポリフェノールとは又逆の作用も有している。アルコールは少量なら循環をよくし、気分も爽快にしてくれる。精神的安定にも役立つに違いないが、度を越すとろくなことがない。肝臓を痛めつけるは、動脈硬化は促進するや、さっぱりである。ポリフェノールは、健康保持のためには、ワインも良いが、広く野菜類からの摂取がまづ第一義的である。赤ワインも飲み方によってはキチガイ水となりうるようである。ワインも結構だが、何事も、程々が最適である。最近のワインブームで、フレンチパラドックスとか、ポリフェノールの効用のみ強調され原則が忘れられている傾向に警鐘をならしたい。


ワインは健康によいのか


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