死生学(thanatology)


死への過程

 個々の人格を尊重する総合的な延命をはかるのではなく、最後までどう生きるかという発想から「死生学」という概念を日本で定着させた上智大学アルフォン・デーケン氏の特別講演「死生学(死への準備教育)・日本の課題」を拝聴した。
 デーケン氏は,末期医療は医学の課題であるだけでなく日本の社会のこれからの課題でもあることを指摘し、「まずは社会が何を期待しているかを考えることが出発点になる」と述べた。さらに、これまでの日本の医療について「世界一の平均寿命が示すように肉体的な死についての業績はすばらしい。これからは、個々の人格を尊重するような心理的、社会的、そして文化的な死という側面もふまえた全人的アプローチを重視した、総合的な延命が行われることが望まれる」と語った。
 また、死別によって受ける大きなストレスによって病気の発症や死亡率が高まることを上げ,残された家族の悲嘆ケアの重要性を説いた。末期医療のあり方は、その時代の文化的背景を色濃く反映すると言う。
 最後に、「ユーモアとは相手への思いやりから生まれる心と心の触れ合い。日本の医師や看護婦が、こうした人間同士の心の交流とユーモア感覚を大切にして、もっと患者に笑顔で接するよう期待したい」と語った。


花の大江戸弥次喜多道中





homeに戻る 旅行記 随筆・評論 医療のページ swatch