お茶の作法2(三道茶)


 雲南の麗江、瑞江、あるいは大理辺りの少数民族ではパイ(白)族が多数見られる。パイ族は新彊ウイグル自治区辺りでも見かけるが、雲南のパイ族はここら辺りに集中しているようだ。彼ら独自の白い小帽子を付けており、丸顔で、身長もあまり大きくなく、特徴がハッキリしておりすぐに判別すことはできる。

 一般に、少数民族は独自の風俗習慣を持っていることが多いが、このパイ族にも三道茶というお茶の習慣が受け継がれている。お客さんをもてなす時に出す特別なお茶で人生を意味する3種類のお茶がセットになっているようだ。

 小さな茶器(中国茶器のようなもの・玉露茶碗位のもの)に入れられて出される第一道のお茶は、やや苦みが勝ったお茶で、これは人生の辛さや厳しさを表現しており、雲南沱茶が用いられる。第二道のお茶は甘い香りと味がする。人生の喜びや幸せを意味し、蓋つきの少しおおきめの茶碗(平茶碗)で供され、大理感通寺の茶畑から穫った若い新芽を使った感通茶が用いられる。最後に出される第三道のお茶は、第二道の茶碗より更に大きめの(深めの)湯飲みで出されるが、甘さと辛さが混じり、これは人生の最後に今までの来し方を振り返る、楽しかったこと辛かったこと、これまでの人生の全てが包含される。三番茶は耳海湖畔の2000m辺りの茶畑で穫られた蒼山雪緑を使用し、2番茶、3番茶には胡麻、赤砂糖(氷砂糖)、蜂蜜、花椒等を加えて独特の味を作り上げるという。侘びとか寂とか言う、日本の茶道の精神じゃあるまいが、いわば、この三道茶には少数民族ペイ族の苦難の歴史と哀しい人生が表現されているのである。



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