お茶のタイミング(中国茶の話)


 お酒は、きちがい水とも言われるように、飲み過ごすと碌なことがない。過ぎれば、アルコールは脳神経を麻痺し、中毒症状を呈するやも知れない。酒は程々に飲むべし。程々に飲むからこそ、その益に与えられるというものだ。

 お茶の主成分はカフェインだろう。カテキンもそうかもしれない。いづれにしても、脳神経細胞を刺激し、賦活さすようだ。アルコールとは全く異なる正反対の作用である。各種アミノ酸の甘ったるい、なんとも言えない味わい、これも脳神経の細胞の賦活と鎮静に役立つ。お茶は神経を刺激し鎮静さすのだ。

 お酒もお茶も、TPOが大切だ。昔の人は、酒を愛し、お茶を好んだ。酒の席には必ず、その前後お茶が出されたし、お茶席には、必ずお酒が供された。酒とお茶は切っても切れない関係にある。しかし、酒を飲んでからでは、お茶の味は解らないし、お茶を飲んでからでは、お酒の最初の一杯の味が理解しがたいだろう。

心手間適
披咏疲倦
聴歌拍曲
訪友初帰
軽陰微雨
(茶疎)


 これは古い中国の詩人が、お茶を飲むタイミング(TPO)を詠んだものであるが、行間に日本の侘びと寂(さび)の精神がかいま見られるようである。良くも、うまく表現したものだ。全く全てその通りで、追加すべきものは全くない。

 広大な中国には、さまざまな銘茶を生む気候風土があり、悠久の歴史、文化とこうした土壌がおいしい中国茶を作り出していると言われている。広い、中国には1千種類以上もあると言われるお茶があるが、製茶の過程で行われる発酵には、摘んだ茶葉に含まれる酵素が酸化するを意味するようだ。

 お茶には、その発酵の程度により、緑茶、白茶、中国茶(ウーロン茶)、紅茶の4種類があるらしい。詳しく言えば、その他に緑茶を造ってから、後発酵(堆積発酵)さす、黒茶と黄茶もあるらしい。雲南のプアール茶なんかがこれに該当するようで、中国茶それぞれの奥深い個性を醸している。

 お茶の本来の香りを引きだせるのに熱いお湯が必要で、決してひやしたものでは、その風味が活かされない。お茶は中国人や日本人の国民的な飲み物である事 間違いない事実である。お茶にはビタミン・カフェイン・エッセンシャルオイル・フッ素等の成分を含み、頭の働きを活発にするし、また利尿するなど多くの効能があり、中国人の日常生活に、まさに欠くことのできないものだ。古来よりの格言にも、暮らしを立てるに必要な七つのものとして、「薪(柴)、米、油、塩、醤油、酢、茶」と記され、お茶が中国人にとってなくてはならない生活文化の一つであるに違いない。一寸重複もあるようだが、茶の効用について纏めてみた。

中国茶の効果・作用



●中性脂肪低減作用
(ダイエット効果)
●肥満抑制作用
●美容・美肌作用
●血圧降下作用
●虫歯予防作用
●便秘解消効果
(反タンニン効果)
●風邪予防作用
●アトピー性皮膚炎改善効果
●発ガン抑制効果
●ビタミン・その他


 どこまでが、科学的に立証されたものか知らないが、ウーロン茶ポリフェノール(カテキンは、血管内の脂肪分解酵素リパーゼを活性化させ、中性脂肪がいち早く遊離脂肪酸へと分解されるのを手助けすると言う報告もあるようだ。つまり、ウーロン茶ポリフェノールを摂ることは、効果的な中性脂肪(特にTG)の減少につながるということだ。

 世の中広い。特に中国は巨大だ、当然ながらまた変わったものもみられる。ウーロン茶にも大変珍しい珍品もあるようだ。そのめずらしい幻の大紅袍とは。烏龍茶の主産地である福建省の烏龍茶の中で双璧と言われているのが、福建北部の「武夷岩茶」と南部の「鐡観音」だそうだが(最近TV(世界ウルルン滞在記)で放映されていた)、岩茶の原点だと考えられており銘柄としても名品中の超逸品と言われる「大紅袍」は、何と天然木で樹齢350年以上という程古く、決して大木ではないが、高い絶壁の途中の岩場に、その潅木は見られた。TVでは「大紅袍」の収穫される木は6本しかないので、年間収穫量はわずか400グラムだけと言われており、その製法は秘密裏に処理される。そして、なんと250万円(100g)という値が付くそうだ。どこのどなたが愛飲されるのか知らないが、TV突撃レポーターは試飲に与れたようだ。TVでは、格別の美味しさだったということだが、どうせ、お茶のカテキンかアミノ酸の味わいであろう。大紅袍という名前の由来は、歴史的に幾つかの伝説があるが、その殆どは難病に苦しむ人達に、武夷山にある天心寺の和尚さんが大紅袍を飲ませたことろ、病気が癒えた為、感謝した彼らが大臣にしか着ることが許された赤い上着(紅袍)を茶樹にかけたという伝説から来ているようだ。

 中国でも一番多く生産されている茶葉は日本と同じく緑茶であるが、代表的な中国茶の産地をまとめてみた。

※ 青 茶(烏龍茶)

●安渓鐡観音・・・・・福建省安渓県
●鐡羅漢・・・・・・・・・福建省武夷山
●武夷岩茶・・・・・・・福建省武夷山
●永春佛手・・・・・・・福建省永春県
●黄金桂・・・・・・・・・福建省安渓県
●凍頂烏龍茶・・・・・台湾南投県凍頂山
●木柵鐡観音・・・・・台湾台北木柵
●高山茶・・・・・・・・・台湾阿里山など
●文山包種茶・・・・・台湾台北文山
●東方美人・・・・・・・台湾省台北
●鳳凰水仙・・・・・・・広東省

※ 緑 茶

碧螺春・・・・・・・・江蘇省
●龍井茶・・・・・・・・浙江省西湖
●太平猴クイ・・・・・安徽省黄山
●黄山毛峰・・・・・・安徽省黄山

※ 黒 茶

●プーアール・・・・・雲南省
●花磚茶・・・・・・・・湖南省
●青磚茶・・・・・・・・湖北省

※ 紅 茶

●祁門紅茶・・・・・・安徽省
●正山小種・・・・・・福建省武夷
●宣紅工夫・・・・・・湖北省
●寧紅工夫・・・・・・江西省

※ 黄 茶

●君山銀針・・・・・・湖南省洞庭湖
●霍山黄芽・・・・・・安徽省霍山

※ 白 茶

●白毫銀針・・・・・・福建省福安
●白牡丹・・・・・・・・福建省福安 

※ 花 茶

●福州白龍珠・・・・・福建省福州
●茉莉蘇萌毫・・・・・江蘇省蘇州
●安渓桂花・・・・・・・福建省安渓県


お茶の風習
カテキンとポリフェノー
大紅包(武夷巖茶)
一葉茶
羅布麻茶
茶馬街道



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