日本食とワイン


 ワインと良く合うという食べ物はどんなものだろうか。魚は白、肉は赤とこの程度の知識しかない次郎さん、なんだか寂しいよ。だいたい、食べ物と合うと云うことはどういうことを指し示すのだろうか。悲しいかなそれが判らない次郎さん、こういう理屈をこねるのはどだい無理というものだ。立派なフランス料理のテーブルにつき、美味しく頂く、白や赤、まあ単純に考えて旨かったらそれで充分なのではないだろうか。

 料理屋で頂く会席料理は品数も沢山あり、贅沢の限りが尽くされている。ま、会席料理にはお酒(日本酒)と決められていたようであるが、会席料理にもワインがことに白ワインが良く合いそうだ。日本酒なら暖かいものでも、冷たいものでもどちらもマッチするが、白ワインの方は冷たいものに限るようだ。暖かいワインなんて聞いたこともない。また事実、料亭でワインを愛飲されているのを目撃もする。

 熱燗のみならず、冷や酒での、日本料理もまた格別であるようだ。程々に冷やされた日本酒も、ワインの如く美味なるものであるに違いない。冷酒と白ワインは共通点がありすぎる。でも冬の寒い季節には熱燗のぐっと一杯が応えきれないようだ。体の芯から暖まるようだ。喉越しの良い日本酒が上等らしい。水のような、なんの抵抗もなく、流れていく日本酒が上質とのことだが、やはり香り味も大切な要素であるに違いない。とにかく、下戸の次郎さんにとっては、なんらの無抵抗に流れる日本酒よりも、味があり、香りがあり、喉元にしみこむものがあった方が、それなりに美味しいと感じるようだ。

 東南アジアでもっともポピュラーなタム・マク(フン)、若いマンゴやパパヤ、パインを用いた一寸酸っぱい奴、小奴は意外と白甘に相性がよい。もともとフランスの植民地だった関係からかしら、食生活にワインが取り入れられているベトナムなんかでよくみられるようだ。でも、一番ありふれた麺類にはどんなワインが合うのだろうか。ラーメンにどんなワインが合うだろうか。これはやはり文化が異なるのかなあ。この点ビールは相手を選ばず、飲む方の体の調子次第であるようだ。少し疲れた、喉が乾き、暑いとき、体調の良いときなんかの、風呂上がりのグッと一杯には、勝る物なしである。

 日本料理の前菜、種類によっても違うが一般的に白に似合うようだ。焼き魚に白ワインなんかも合うのではないだろうか。一般的に云って、魚のムニエルなんかは、白辛で決まりだ。でもサンマのバター焼きなんかは赤ワインが、適当にニホイを消してくれ、それなりにマッチするようでもある。腹の黒い奴、レバーだろうか、ほろ苦く、ほんのチョッピリしかないが、赤とドンピシャリ相性がよいようだ。日本食独特な納豆、強いて云えば、赤が合いそうだが、以外とこれも甘口白ワインが似合うようだ。一度試してみられてはいかがなものかな。こくよどんだ、甘い甘いものが良く似合う(相性がよい)のだ。甘い甘い白と小豆にも似た納豆は混じり合って甘納豆に、あんこに変ずるのかもしれない。天ぷらもやはり白辛がよさそうだ。糠味噌臭い沢庵、これも辛口の白ワインがぴったりだ。これほど似合うものはほかにはあるまい。少々高いグランド・クルでも投資したい感覚である。意外と、江戸前握り鮨なんかもネタによって相違があるだろうが、結構ワイン特に辛口の白が良くあうものが多そうだ。生蛎、これはフランス料理でも出てくるわけだが、寿司屋で出てくる阿奴はなかなか白ワインと相性がよいし、かつまた白ワインの殺菌作用紅茶の殺菌作用)とも加わり誠に利にかなっているようだ。とろろで、汁物だが赤だし、おみおつけにはどんなワインが相性がいいだろうか。それとも、液体同士馴染まないのかなあ。ラーメン同様困っちゃったねえ。


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