ソール青磁紀行
ソールの骨董街は仁寺洞と長安坪の2箇所である。街中やホテルの売店でも売っているが品数が少ないようだ。あさから夕方まで歩き回っても飽きない。次郎は白磁は解からないのでもっぱら青磁の世界だ。青磁も白磁より難しいかもしれない。
誰もが李朝白磁だというが、くすんだどんよりした白磁にどうしても馴染めない。好きな奴はこのオボロゲナのが良いと言うが。井上萬二や富本憲吉の白磁でももう少し照りや輝きがある。白磁は好き嫌いがある。次郎の性に合わないようだ。それで必然と青磁に走ることになった。
高麗青磁も大和文華館(奈良)や安宅コレクッションで有名な東洋陶磁美術館(大阪)の作品は凄い緋色だというが、全体に呆けている様だ。確かに釉薬の被りなんかは殆んど透明で奇麗ではあるが、次郎には理解できない。
値段も手頃で柳海剛なんかの作品を狙いたい。安東吾も良い。一度韓国に行けばソール市内は勿論、利川周辺まで遠征する。一度に4〜5個位求め、いまではその数100点にならんとしている。粉青沙器や鉄釉(鉄絵大皿)なんかも面白い。
割合コントラストのハッキリした青磁が好きだ。でも25年ほど前、中国の文物商店(蘭州)でタイマイを叩いて青磁の大皿を求めたことがある。はっきり翡翠というわけには行かないが結構次郎のお気に入りなのだ。矢張り曇りと言うより鉄釉がぼんやり残っているのだ。だれか目利きに見てもろうとして20年以上になったしまった。この時三彩の壷(唐三彩ではない)も買ったが、これは形が気に入り求めたが、中に油でも入っていたのが変なにおいが今もってするようだ。骨壷かもしれない。
韓国の 陶磁器は 優秀な 資質を 土台とし, その 質は澄んだ 独特のもので, その 姿は健康 で溌剌としている。韓国の陶工たちは, 深い山奥で, 常に自然と順応して, 生活に必要な 機能を主として、 煩雑な 技巧と 多様な 色彩を 表現することよりは, より多くの 時間と 努力を 傾けて, 単純な色調と 大様な 造形にその 美しさを求め, 韓国だけの 独創的で 素晴らしい 陶磁器芸術を作り上 げた。
韓国は変わった。昔は軍事上の必要性から駄々だだ広い高速道路があり、中間分離帯は殆んど欠如していた。これも軍事上の必要性から非常時には飛行機の滑走路に転用されるらしい。車はオンボロ、ドアの開閉は壊れたままで走っていた。よく事故でも起きなかったのは幸せだった。市内の戒厳令はもうすっかり昔の遺物となってしまった。