女性ホルモン補充療法
更年期の症状には個人差があるように、その治療方法も患者さんの症状によって異なります。現在行われている治療法としては、不眠やイライラと言った症状をとるため精神安定剤を投与したり、また各症状に合わせた対症療法や漢方をもちいたり、さらにはカウンセリングを行うこともあります。
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ここ10年ほど前から、不足している女性ホルモンを補うことによって、症状を改善しようとする考えのもとに、ホルモン補充療法(HRT)が始められ、大変効果をあげていあます。HRTは原因療法で、同じようにホルモンレベルの低下によって起こる、いわゆる生活習慣病である、高脂血症、動脈硬化症、高血圧や骨粗鬆症にも大変効果的で、それらの予防は勿論のこと、若返りにも良いと言う極論まであります。
HRTは卵巣から分泌されるエストロゲンの減少によって起きる更年期の諸症状をエストロゲンを補うことによって和らげようとする治療法で、もうすでに約35年の歴史があります。初めのうちはエストロゲンによると思われる催癌作用(子宮内膜癌等)がでたりしたが、現在ではエストロゲンとプロゲステロンとの絶妙なコンビネイションで副作用のほうはまずクリアーされている。
この薬はもともと、月経困難症に対する治療薬で、とくに若いお嬢さん方で月経痛がひどく、出血量も多く、お魚の内蔵のような凝血をしめすような患者さんに使用するものです。また更年期にちかづくと月経(生理)不順となり、過多月経(出血量が多く)、月経痛強く、周期の短縮、期間の延長等が認められることがあります。これらはほとんど子宮内膜症の症状ですがこの時もこの薬を用いることがあります。
日本では認可されていないが、HRTで用いられる薬剤(プロゲスチンとエストロゲンとの合剤)は経口避妊薬としてひろく世界的に利用されているし、WHOによって処方例も規定されており、まず世界的に一番多く飲まれている薬の一つに違いない。経口避妊薬はホルモンの偽妊娠状態を作りだし、100%の避妊効果を得ている。
HRTの服用について
1ヵ月のうち21日間連続して服用します。21日間服用後8日間の休薬(薬を飲まない期間)をえて、ふたたび同じことを繰り返します。
生理(月経)が始まって5日目から飲んでいただいてもおなじことになります。21日間連続して飲むことが大切で、途中飲み忘れのないようご注意下さい。原則として就寝前に服用ください。もしも飲み忘れのときは、起床後できるだけ早い機会にご服用ください。普通月経の量が少なくなりますが、心配いりません。月経周期はおよそ28日に固定されます。(このほかにエストロゲン単剤投与も行われることがある)
最近、極少量のホルモン薬を含むミニピルというのが開発されているが、わが国では医学的にはほぼ解決されているが、社会的要因により未だ解禁されるに至っていない。
| エストロゲン欠乏による症状・状態の改善 | 顔のほてり、発汗等の改善 肩こり、腰痛等の改善 不眠、鬱状態等の改善 皮膚、粘膜の若返り |
| エストロゲン欠乏による疾患の予防 | 骨粗鬆症の予防進行防止(骨折の予防) 高脂血症・動脈硬化症の予防 |
卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)
女性ホルモンの急速な低下に起因する身体状況の様々な変化に対し、最も有効な治療手段としてまず第一に女性ホルモン補充療法が挙げられますが、この治療を何才まで継続するか、いかにして自然現象である老化を受け入れるかなど今後に残された問
題点も少なくないことを十分ご理解下さい。
(上久保啓太氏の文章を参照させていただいております。付記して感謝申し上げます。)