増えたガン・減ったガン
日本で、最近増えたがん、あるいは減ったがんがんの死亡率をみると、男性では胃がんと肺がんがほぼ同じりつを示しています。従来の日本では胃がんが圧倒的に多く、肺がんは少なかったのですが、最近は胃がんが減り肺がんが増えたので、両者の曲線が交差しようとしています。胃がんが減った理由としては、食習慣の変化、集団検診で早期発見が可能になり治癒率が上がったことなどがあげられます。一方、肺がんが増加した原因としては喫煙習慣です。
日本では終戦後にタバコの消費量がぐんと上がりましたが、その結果としていま、肺がんが急増しているのです。また食生活の変化で、従来日本人には少なかった結腸がんが年々増加の傾向です。そのほか肝臓がんも増えていますが、これはC型ウイルスに感染した肝炎の患者が背景になって増えているほか、アルコール、喫煙も深く関係して増加しています。
女性では子宮がんが減り、乳がんが増えています。子宮がんの減少については、子宮けいがんにかかる人の数が減ったことに加え、子宮がんの検診が普及したことも大きく寄与していると思われます。子宮がんのなかでは、子宮体がんが増加傾向にありますが、これは長寿社会の到来をいみしています。一方乳がんは、欧米型の食習慣の影響のほか、栄養状態がよくなって初経が早く、閉経が遅くなったことや、妊娠・出産経験のない女性が増えたこと、高齢出産が多くなったことなどから、乳がんの発生と関係が深いエストロゲン(女性ホルモンの一種)にさらされる期間の長い女性が増えたことが、要因としてあげられています。