脳死移植 本人意思不明(家族承認) 日本臓器移植ネットワークは詳細発表せず


書面による臓器提供の意思表示がなく、家族の承諾で脳死と判定された男性からの臓器摘出手術が19日午後、男性が入院していた近畿地方の病院で行われた。摘出された臓器は各地の移植施設に搬送され、各施設での移植手術は臓器が到着し次第開始。すべて終了するのは20日午前になるとみられる。今回の男性は、本人の意思が完全に不明で脳死判定と臓器摘出が行われる初めてのケースである。

今後こうしたケースが増えてくると、それに関わるいろんな問題も発生してくるだろう。例えば魔女探しや人身売買問題等いろんな問題含みなのだ。やはり詳細は発表されるべきであろう。ただ一部関係者のみの間だけでは公開されない理由が理解できない。今が我慢のしどころである。ここを乗り越えてこそ新しい将来が切り開かれるだろう。

臓器移植法は、脳死体からの臓器提供について定めているが、その付帯決議で、その脳死体とは「あらゆる適切な治療を施した末」に脳死となったものであるとしている。ようするに突然のアクシデントにみまわれた人であるから、その突然の出来事に驚きパニクって必死に患者の名を叫びまくっている肉親にとって、中途半端な治療しかしてもらえずに臓器くださいと言われたって、はいどうぞなんて言えるはずがない。普通、そういう家族は奇跡を祈る。したがって、医師らの懸命な救命活動もむなしく、奇跡もついに起きず、叫び疲れた家族が、せめて患者の一部でも生かしたい、との最後の思いでハンコをつく、それが臓器提供であるはずだ。臓器保存術て聞いてことありますか。臓器保存術(抗利尿ホルモン・大量の輸液・少量の昇圧剤、の3点セット)をやって移植に耐え得る臓器を新鮮に保つ方法である。救命救急処置とは関係のな話で延命救急処置に寧ろ逆行する処置だ。臓器提供と救命治療は両立しない。むしろ逆の治療なのだ。救命治療をちゃんとするか、それともドナーにまわすか、という医師の決定判断があるのが現実だ。 正しい情報・知識なくして自己決定なし。 救急医らの反救命救急行為も、臓器提供という時期を得た医療に参画して名を売りたい、目立ちたいという欲望がなせる、いかにも人間くさい所業ともいえるかもしれない。 つまりは、今後そういったところから臓器提供が行われていく可能性も高いわけで、これは医療問題の枠組みで考えているだけではいけないはずだ。家族の意思確認の経過を発表せずとした移植センターの傲慢な態度が今後の移植事業に暗雲が立ち込めないだろうか。2010.8.20


共同通信社 2010.8.23

近畿地方の病院に入院していた男性が19日、脳死と判定され、心臓や肝臓などが提供された。改正臓器移植法の下では2例目だが、1例目と同じく重要な事項まで「家族の意向」で公表されず、情報公開は旧法時代より後退した印象を受ける。移植医療に欠かせない国民の理解促進のために、家族のプライバシーや心情に配慮しつつ、情報の開示を進めるべきだ。改正法の特徴は、本人の意思が不明でも家族の承諾で臓器提供できるようになったこと。本人の書面による意思表示が必須だった旧法に比べ、家族が決断に至る経緯や、本人に拒否の意思がないことの確認プロセスの重要性が増した。だが、1例目で日本臓器移植ネットワークは、提供を切り出したのが病院か家族かは「答えられない」とし、今回の2例目では移植ネットが公表の基本項目と位置付けている死因(原疾患)も伏せられた。さらに、旧法下では約80%のケースで明らかにされてきた病院名が非公表となり、病院も会見に応じなかった。いずれも家族の意向を理由にしているが、情報不足は否めない。脳死移植は情報の秘匿と公開のバランスの上に成り立っている。提供者や移植を受ける患者の特定につながる要素が非公表なのは、両者の間で金品のやりとりや精神的な負担が生じるのを防ぐためだ。一方で、他者の死を前提とした特殊な医療であり、国民の理解がなければ実現しない事情がある。このため、一定の情報を公開して透明性を高め、信頼を積み上げてきた。改正法施行後の2件は、残念ながら秘匿に傾きすぎている。少なくとも、提供の選択を病院、家族のどちらが、いつ提示したかといった基本的な経緯はオープンにすべきである。精査は、厚生労働省が専門家でつくる「検証会議」で行えば十分との考え方もあろう。しかし、改正法施行後1カ月余りで2件というペースが続けば検証は追いつかず、情報不足が続くと透明性は保てなくなる恐れがある。厚生労働省と移植ネットは、情報公開の在り方を見直してほしい。家族の同意に関係なく自ら明らかにできることもあるはずだ。例えば「脳死にならないよう治療を尽くしたか」という点だ。最善の治療を行うことは脳死移植の大前提であり、答えられるのは主治医しかいない。全力で救命措置に当たったと推測するのと、主治医が語るのでは重みが違う。病院名を伏せ匿名で会見することも検討すべきだ。改正法施行で15歳未満の子どもからの臓器摘出が可能になった。同時に、18歳未満では虐待がないことを確認する義務が発生し、説明責任はさらに増す。その時に「把握していない」「言えない」では、移植医療への信頼が大きく損なわれることになる。



2010.8.22 3回目判定

日本臓器移植ネットワークは22日、東海地方の病院に入院していた50代の女性が臓器移植法に基づき、同日午前5時41分に脳死と判定されたと発表した。本人の意思を確認できる書面はなく、家族が臓器提供を承諾した。家族の承諾だけで臓器提供できるとした改正法が先月17日に全面施行されて以来、今月19日に続き3例目の脳死判定。1997年の臓器移植法施行以来90例目となる。改正臓器移植法を適用し、本人の意思表示がなく家族承諾のみで脳死としたのは、今月9日以降3週連続となった。移植ネットによると、女性の家族が主治医から移植について説明を受けたのは19日ごろ。父、兄姉を中心に話し合った結果、脳死判定に向けた手続きが進められた。女性は提供意思を示す書面を残しておらず、生前家族と移植について話をしたこともなかったという。女性は22日午前5時41分に2回目の脳死判定が実施され、法的に脳死とされた。家族は「誰かの役に立てたい。身体の一部がどこかで生きていてくれたらうれしい」と話しているという。心臓と肺は東北大病院(仙台市)で30代女性と20代女性に、肝臓は大阪大病院(大阪府吹田市)で60代男性に、腎臓は藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)で40代女性に、それぞれ移植手術を実施する。名古屋第二赤十字病院(名古屋市)では30代女性に膵(すい)腎同時移植が行われる予定。家族は小腸の提供も同意したが、適合する患者が見つからず、断念された。臓器摘出は同日午後4時ごろに始まり、同7時すぎに終了する見通し。 



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