脳死移植 Updated



【SSIで表示】
・最終更新日:
・現在時刻:

脳死移植医療

【9/4/2010】 家族承諾8例目脳死移植へ=「誰かの中で生きて」―札幌

日本臓器移植ネットワークは11日、市立札幌病院に心疾患で入院していた40代男性が法的脳死と判定され、移植に向けた手続きに入ったと発表した。臓器提供に関する本人の意思表示はなく、家族の承諾で脳死判定が行われたのは8例目。移植が実施されれば95例目となる。
 移植ネットによると、3日に主治医が脳死状態と判断し、家族に病状を説明した際、きょうだいから臓器提供に関し質問されたという。妻、きょうだい、両親を中心に親族の総意で10日に提供を決意。動機について「以前から臓器提供について知っており自分としては当たり前のこと」「誰かの中で生きて役に立ってくれることが誇りに思える」などと話したという。11日午前9時25分に2回目の脳死判定が終了し、法的に脳死とされた。腎臓は同病院で30代女性、肺は岡山大病院で50代男性、肝臓は東京大医学部付属病院で50代女性、もう片方の腎臓と膵臓(すいぞう)は藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)で50代女性に移植される予定。 

【9/4/2010】 家族承諾での移植後、臓器提供「拒否」が急増

脳死による臓器提供が家族の承諾だけで初めて実施された8月、日本臓器移植ネットワークのホームページを通じて臓器提供を拒否する意思を登録した人が急増したことが6日、わかった。
現在の臓器移植法では、本人が生前に拒否の意思表示をしていなければ、家族の承諾だけで臓器提供ができる。ネットワークへの意思表示は、臓器を、〈1〉脳死と心停止のいずれの場合でも提供〈2〉心停止の場合のみ提供〈3〉提供しない――の3種類があり、これまで〈3〉は2%に過ぎなかった。ところが、8月9日に家族承諾による脳死判定がおこなわれたのを機に登録者が相次ぎ、8月の登録者では〈3〉が10%を占めた。〈1〉は86%、〈2〉は4%だった。

【9/4/2010】 家族承諾で6例目=意思不明の脳死判定―移植ネット
家族承認による6例目の脳死移植は4日午後、提供臓器の摘出手術が行われた。臓器は福島県立医大病院など7病院に運ばれ、8人の患者への移植手術が順次始まった。日本臓器移植ネットワークは4日、本人の臓器提供意思が不明な18歳以上の患者が東北地方の病院で脳死と判定され、移植に向けた手続きに入ったと発表した。家族の承諾を基に脳死判定が行われたのは6例目。移植が実施されれば93例目となる。移植ネットによると、患者は4日午前4時、法的に脳死となった。1人のドナーから一度に8人の患者に臓器が提供されるのは初めてという。同病院では、腎臓が40代と50代のいずれも慢性糸球体腎炎の男性に、心臓は東京女子医大病院で拡張型心筋症の20代男性に、肺は岡山大病院で閉塞性細気管支炎の20代男性と京都大医学部病院で間質性肺炎の50代男性に移植される。肝臓は名古屋大医学部病院で肝硬変の50代女性に、膵臓(すいぞう)は藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)で1型糖尿病の20代女性に、小腸は九州大病院でヒルシュスプルング病類縁疾患の20代男性に移植される。肺は岡山大病院で閉塞性細気管支炎の20代男性と京都大医学部病院で間質性肺炎の50代男性に移植される。肝臓は名古屋大医学部病院で肝硬変の50代女性に、膵臓(すいぞう)は藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)で1型糖尿病の20代女性に、小腸は九州大病院でヒルシュスプルング病類縁疾患の20代男性に移植される。

【8/29/2010】 日本臓器移植ネットワークは28日、臓器提供の意思表示を書面で残していない40代の男性が、家族の承諾で脳死判定され、臓器移植の手続きに入ったと発表した。男性は関東甲信越地方の病院に入院していた。改正臓器移植法に基づく家族承諾による脳死判定は4例目。29日未明に会見した移植ネットによると、家族は「本人は日ごろから人にやさしくお世話をしていた。本人はいなくなるけど、他の人の役に立てればうれしい」と話している。脳死下の臓器提供は平成9年の臓器移植法施行以降で91例目。8月に入り、書面で意思表示をしていた1例を含め5例目の提供となる。同じ月に5例の提供がされた例はない。移植ネットによると、男性は心肺停止後に蘇生(そせい)措置を受けたが、脳死状態となった。28日朝、家族が脳死判定と臓器摘出の承諾書にサインした。両親ら5、6人の家族で決断した。法改正の目的でもあったように、臓器提供は増加の兆しを見せている。専門家は年間10例前後だった移植が、改正法施行によって70〜80例程度にまで増えるとみている。しかし、移植ネットのコーディネーターは現在26人。コーディネーターなど移植を仲介する機関の体制強化に関する議論が起こる可能性がある。

【9/6/99】 バイクによる交通事故に遭って愛知県豊明市の藤田保健衛生大学病院に入院していた同県内の10代の女性(ドナーカード所持)が臨床的に脳死と診断され、5日夜、臓器移植法に基づく1回目の判定が行われた。今回5例目の移植を前提にした脳死判定であったが、しかし、耳の鼓膜の片方が破れていたため一部の検査が十分に行えず、同病院では6日未明、2回目の判定を中止した。すなわち脳死移植を断念した。

【8/28/99】 腎臓(じんぞう)などの移植が必要な重症患者を対象に、海外での臓器移植を仲介することをにおわせるチラシを、東京都千代田区の民間会社が都内で配布していたことがわかり、厚生省は27日、臓器売買などを禁じた臓器移植法に違反する可能性があるとして、業者に口頭で注意した。 同社によるとチラシは24日、新聞の折り込み広告として都内の一部地域に約20万枚配った。「人工透析でお悩みの方、年齢を問わずご一報ください」などと呼び掛け、「近代的設備の整った病院で、快適な治療時間を過ごすことができます」とうたっている。 チラシでは臓器移植には直接触れていないが、同社は取材に対し、「移植を受けられるフィリピンの病院を紹介する」と移植を前提とした内容であることを認めている。 生体腎移植の臓器提供者(ドナー)をあっせんする現地のブローカーと移植希望者が契約し、白血球の型などが適合する提供者がみつかれば、移植を受けられるという。手術や渡航費用に計約2500万円かかるが、同社は「病院を紹介するだけで、手数料などは受け取らない」としている。 しかし、厚生省臓器移植対策室は、同社が病院に紹介状を書くことなどによって結果的に臓器売買が行われるため、「売買を教唆したことになる可能性がある」として注意した。 同社は1994年から、97年に臓器移植法が施行されるまで、7人の日本人患者に有償で、フィリピンでの生体腎移植を仲介したという。

【8/24/99】 臓器移植に関する審議会(厚生省)が開催された(12日)。移植検証委員会の設置は決っているが、委員の構成等で議論多出でなかなか纏まらず。医はもっと謙虚にあるべきだ。

【8/21/99】 日本集中医療学会が開かれ(大阪)脳死と治療に関する問題について話し合われた。人工呼吸器を 一時的に外すため患者に負担がかかるとされる無呼吸テストを、法的な脳死 判定より前の臨床的な脳死診断でも行うべきかどうかが議論となった。実際には過去四例中三例で実施されたが、厚生省の担当者は、「やってはいけないものではないが、患者の負担を考えて除く」と、原則を説明した。
 また、脳死判定の前提として最善の救命治療がなされたかどうかを判断す る基準について、「(治療では)家族の意思を優先する」とし、必ずしも医学的に最先端の治療内容にならない場合もあり得るとの見解を示した。

【8/15/99】 脳死移植と各宗教の死生観
 脳死臓器移植と宗教との関わりを、日本キリスト教協議会宗教研究所、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、黄檗宗、大本、立正佼成会、創価学会、金光教がそれぞれの立場を表明している。ウィリアム・ラフレール(ペンシルバニア大東洋研究学部教授)は「米国社会では最近、脳死移植に抵抗を感じる人が増えている」「移植支持の思想を支えるのは西洋人の愛他主義」と云っているが、 大本教は「霊肉離脱の瞬間が死の瞬間。それは心臓と肺の停止」に始まり、「脳死は人の死ではないが、自らが脳死になった場合に死を受容する人の意思は否定しない」(立正佼成会)、「性急な法案成立は遺憾だが、統一意見はまとまっていない」(浄土真宗本願寺派や真宗大谷派)など、揺れる教団の姿が浮き彫りになっている。日本でも宗教人の社会的指導者としての立場を認識し、もっと議論を加え、その責任を果たして行くべきだ。今頃になって統一意見はまとまっていないなんて言い訳は、自らの責任放棄に他ならない。

【8/13/99】 公衆衛生審議会臓器移植専門委員会で、懸案の第3者検証委員会の設置が難航している。設置自体は既に決められているが、その構成メンバーに関して合意するところにいたらず、紛糾しているようだ。現在のようなずさんな脳死判定や救命医療の安易な放棄、不公平な移植患者の選定等が起こらないよう、どうしても歯止めが必要で、教訓と課題を明らかにすることがもっとも大切である。委員会で意見を述べられている、竹内一夫氏(杏林大)・桐野高明氏(東大医学部長)・大塚敏文氏(日本医大)等著明な医学者も、医師の独善に陥らないよう、広い分野の意見をも聞き得る度量を持ちたいものだ。けっして医師の奢りであってはならない。

【8/12/99】 厚生省方針で死移植、情報、全面非公開もあり得る(家族の意向を最優先)
 脳死からの臓器移植に関する情報公開について、厚生省は12日、臓器提供者の家族から公開の同意が得られないときは、臓器摘出にかかわる情報を全面非公開にすることもありうるとの方針を、公衆衛生審議会臓器移植専門委員会に示し、了承された。
 臓器移植法に基づく脳死移植は4例あった。いずれも、厚生省や移植ネットが法的脳死判定終了後に、患者の性別、何歳代、意思表示カードの内容、脳死判定時刻などを公表してきた。
 ただし、日本臓器移植ネットワークの移植コーディネーターが提供者の家族から同意を得た項目に限られる。3、4例目では、脳死になった原因など一部の項目は公表されなかった。
 情報をすべて公表しないよう家族から求められた例はなかったが、厚生省は万一そうなった場合の対応を論議、プライバシー保護を最優先し、非公開もやむを得ないと判断した。移植ネットもこの方針に従うようだ。
 家族同意が得られない場合でも、摘出臓器を移植される患者やその手術経過については、手術をする病院の判断で公表できる。ただ、提供者にかかわる情報、臓器の摘出経過と医学データは非公開となる。
 プライバシーは大切だが、一切の非公開を認めるのは、透明性、公平性を重視する臓器移植法の趣旨に反するのではないか。こうした方針が決まると、情報公開が副次的になってしまう。医療に関する情報公開が十分といえない現在、不同意を理由に、情報が隠される方向に運用される恐れもある。医学データには、プライバシーを損なわずに公表できるものがあるはずで、きめ細かい議論をすべきではないか。全ては闇の中と言うことになりかねない。

【7/29/99】 今年2月に高知赤十字病院で行われた臓器移植法施行後初の脳死判定や臓器摘出手術について、臓器移植に反対する関西の市民団体が29日、ドナーとなった患者の人権救済を高知弁護士会に申し立てた。
 申立書は救命治療の不十分さを中心に指摘しており、患者の初期治療に触れ、真っ先にするべき気道確保の措置をせず、再出血を防ぐ血圧降下剤も投与していない。この結果、脳血管の再破裂とみられる全身けいれんをもたらした。これは医療過誤に当たる――などとした。そらそうだろう、高知の救急科医師は、記者会見を見る限り、はじめから頭の中は、脳死移植で一杯であり、それ以外冷静に考えるゆとりがなかったようだ。また、病院到着後間もなく担当医が家族に「切迫脳死」と告げたことに言及したが、患者は到着一日半後に尿崩症を起こしており、このころが正確な切迫脳死であり、医師の説明は「虚偽の宣告」であると考えられる。さらに担当医は、心停止の際は心マッサージなどの『蘇生(そせい)しない処置』を家族に承諾させているが、早い段階で救命を放棄したのに等しい――などとしている。
 ほかにも「治療の選択肢として手術があるということを家族に示していない」「無呼吸テストを最後にしなかったなど法律や施行規則を守っていない」「手術中に患者の血圧が上がっており、脳死に至っていなかった疑いが強い」―などと指摘。臓器提供者の人権が侵害されたとしている。

【7/23/99】 悪法も法なり、驕る医師達。

 移植医療は法に則って行われる。going my way であってはならない。医師達は冷静に、慎重の上にも慎重を期してことに当たらねばならない。社会のルールを無視してはいかなる好結果を得ようとしても疑惑は当然ながら巻き起こってくるだろう。記者会見なさる偉い先生方の勝ち誇った態度、その姿には傲慢さのみ出ているようだ。一般社会常識に受け入れられる様であって欲しい。医師の世界だけの常識ではあってはならない。

【7/19/99】 東京グループ、高知脳死を告発する。
 移植に反対する東京グループは高知脳死(1例目)で、患者さんに手術を選択する機会を与えなかったと言う理由で告発した。提供側と受け入れ側の両者を演じ、受け持っていた高知の医師の行動はどう批判(脳死)されても致し方ないようだ。確かに熱意溢れるる行動は賞嘆に値するのに違いないだろう。立派な意思には敬意を表したい。しかし、彼の脳裏をかすめたのは、本邦初回となるであろう脳死移植が根づいていたことは間違いない事実だ。脳死移植は脳死者があって初めてできるもので、治療があって初めて次に進むものだ。脳死者かも判らない人の出現を待って、移植実行のための準備に入っている。何も準備しては行けないと言っているのではない。全て完璧に、スムーズに出来るように準備するのが医師のあるいは回りの方々の義務である。しかるに、まだ脳死(臨床的脳死)と判断されていないときから、体液は移植に都合良いように環流されている。これは脳死移植を新鮮な条件の良いように準備されているに過ぎない。高知の先生もこれからは、もっと慎重に取り組まれることだろう。

【7/18/99】 法の細部を軽視する医師達、脳死移植での脳死判定で相次ぐミス が起こる。
 臓器移植法にもとづく脳死からの臓器移植はこれまでの4例のうち3例で、施行規則や運用指針で決められた脳死判定の手続きが守られなかった。ミスが続く背景には、医師が法の細部を軽視していたこと、マニュアルの整備の遅れなどがあると思われる。臓器提供病院と厚生省は加速する移植医療に十分対応できておらず、このままではミスの続発は避けられない。高知赤十字病院の脳死判定を検証した竹内一夫・杏林大名誉教授は、厚生省への報告後の会見で、ミスについて「臨床的な感覚からすれば問題ない」「経験からいうと、(法の運用規則に)そうぴったりいくものではない」と説明した。医師たちが法律で決まっている細かい規則をそれほど重視していないことが、この発言からうかがえる。こういう驕った態度ではいずれ批判の対象になってくるだろう。

●慎重さ欠く判定
 脳死判定の前には、各病院がそれぞれのやり方で臨床的脳死診断をすることになっている。この段階で臨床的脳死となると、医師らは脳死をほぼ確信する。そのあとの法的判定で慎重さを欠く原因がここにあるのではないだろうか。
 死亡時刻を決める法的な脳死判定は、臨床的な脳死診断とは違う重みを持っている。医師の裁量にまかされてはおらず、そこを再認識する必要がある。

法律では、脳死についての考え方が分かれている状況でも、きちんと脳死判定をやれば臓器を摘出してもいいことになっている。医師と社会との間でそういう約束がなされ、その結果として臓器移植法があるのだからと主張する意見もある。きちんとした脳死判定は、家族が肉親の死を受け入れるうえでの基本的最低の条件だ。そこでミスがあれば、脳死や臓器提供の仕組みに不安を感じる人が出てくるのは当然だろう。さらに、医師が法律を軽んじている姿勢は、移植医療全般への不信感を招くものだ。「医学的に問題はない」と現場で医師が勝手に判断することは絶対許されないものであることを認識したい。

【これまでの脳死判定でのミス】

〈1例目〉高知赤十字病院(高知市)

 2月25日の1回目の脳死判定時、法施行規則で判定の最後に実施すると定めている無呼吸テストを、脳波測定の前にした。厚生省の参考文献がわかりにくい書き方をしており、判定医が読み誤ったのが一因。
 無呼吸テストは、患者の血圧や心拍に影響を与えることがある。厚生省の公衆衛生審議会臓器移植専門委員会は報告書で「(順序の逆転は)適切でない」と結論づけた。脳死判定に先立つ臨床的脳死診断でも、脳波測定が「感度の点で不十分」とされた。

〈3例目〉古川市立病院(宮城県)

 6月13日の1回目の脳死判定で、血液中の二酸化炭素濃度が、法の運用指針で定めた範囲からはずれていたにもかかわらず、無呼吸テストを実施した。検査を開始して5分以上たってから、濃度が決められた範囲にないことがわかったが、やり直しはしなかった。
 脳幹検査で、外耳に入れる氷水(4℃)の変わりに、冷風(24℃)を用いて行ったようだ。最近の耳鼻科の傾向では普通一般には冷風を用いられるらしいが、マニュアルにはきっちりと冷水を用いることと書かれている。どんな場合であってもルール違反はやはりおかしいのではないか。

〈4例目〉千里救命救急センター(吹田市)

 同23日の1回目の脳死判定で、脳波計の感度を、法の運用指針通りに上げていなかった。厚生省の指示ですべての検査項目をやり直した。(工事中)



臓器移植(脳死)
脳死と死のハザマ

脳死移植


homeに戻る  医療に戻る  病気の戻る  医療最新情報