食道平滑筋肉腫


 一般に消化器の臓器は幾層かの組織より出来ており、その中に平滑筋より出来ている部分があります。病気は食道の平滑筋に出来た肉腫ということだと思います。平滑筋腫瘍は珍しいもので、胃、小腸に良く見られますが、食道部に出来るのは比較的少ないようです。まして平滑筋腫でなく肉腫は数少ないようです。

 話は変わりますが、新聞等で一般に癌と表現さているものは悪性腫瘍全般を指しております。新聞では癌と悪性腫瘍は同意語だと思います。医学では大きく分けて悪性腫瘍には癌と肉腫があります。癌は外胚葉性のもので、肉腫は中胚葉に由来致します。どちらも悪性腫瘍には違いないのですが、転移(血流転移、リンパ転移)のしかた、予後等に関して多少の違いがあります。

 以上より食道従隔部に出来た、悪性腫瘍つまり平滑筋肉腫だと思います。

治療法は手術、放射線療法、化学療法という3つの方法があります。病人さんの年齢、病気の進行程度、併発病、全身状態など全てを勘案することによって治療方針が決定されます。

通常には手術、放射線療法、化学療法とこの順番で行われますが、2者あるいは3者併用されることもあります。一般に肉腫は癌腫ほど放射線に対する感受性がありませんので、肉腫には放射線療法の適応があまりありません。ご存じのごとく悪性腫瘍(癌、肉腫)にはこれと言った決定的な特効薬がないというのが現状です。抗ガン剤のご使用は副作用もはげしくなかなか大変ですし、免疫療法剤の効果ももうひとつです。おなじ医療の現場に働くものとして、理想的な抗ガン剤のないのが、恥ずかしく思います。


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