エイズあれこれ


エイズとは?

 エイズ(AIDS)とは、Acquired ImmunodeficiencySyndrome(後天性免疫不全症候群)のことで、その病原体はHIV(Human Immunodeficiency Virus:ヒト免疫不全ウイルス=エイズウイルス)です。HIVに感染すると、体内の免疫機構がしだいに破壊されて体の抵抗力が低下します。そのため、種々の病原体はもちろんのこと、健康な人にとって害のない、自然環境に普通に存在している細菌・ウイルス・カビなどが体内で増殖するのを防ぎきれなくなってしまいます。その結果、重い肺炎にかかったり、舌や食道にカビがはえるなどの様々な病気に侵されます。

症状はどうでしょうか?HIVに感染しても、最初の半年から10数年は症状がない期間が続きます。少数の人で感染した直後(1〜2週間後)に一時的にかぜに似た症状が出る程度です。ですから、感染した本人さえも感染に気付かずに過ごしてしまうことがあります。この点が問題なのです!なぜなら、症状もなく、本人も感染の自覚のないこの時期でも、性行為により他人へ感染させてしまう危険性を秘めているからです。

長い無症状期の後、「エイズ関連症候群」といわれる状態になり、発熱、急激な体重の減少、下痢、リンパ腺の腫れ、疲れやすくなるなどの症状がでます。さらに、免疫力が低下して、カリニ肺炎(カリニ原虫によりおきる肺炎)などの重症感染症、カポジ肉腫(ヒフにできるガンの一種)などの悪性腫瘍、エイズ脳症などの神経障害が起きると「エイズ」を発病したと診断されます。

エイズの現況

 WHOによれば、1996年6月末現在の患者数は、1,393,649名と報告されていますが、正確に把握できない地域もあり、実際の患者数は770万 人以上、感染者数は2,790万人以上と推計されています。日本人の感染者も年々増加しています。

感染けいろは?

 座席、電話、つり革、衣類、洗濯、蚊(昆虫)、ねずみ、ペット、食べ物。食器、咳、くしゃみ、唾液、シャワー、入浴、風呂場、プール、握手、キスや献血では感染しません。

 人から人にしか感染しません(猫などの動物のエイズが人にうつることはありません。)HIVは感染者の血液、精液、膣分泌液には多く存在しますが、涙、汗、唾液、鼻汁にはほんのわずかしか存在しません。また、HIVは、感染力が弱いので、特別な条件が整わなければ感染しません。つまり、血液、精液、膣分泌液が皮膚や粘膜のしかも、傷のある部分を通過してある程度の量のHIVが体内に侵入しない限りは感染しません。したがって学校生活や日常生活で、感染することはありません。

主な感染経路は次の3つに限られています。

1. 性行為による感染(最も多くなっています。

2. 覚醒剤など汚れた注射器の回し打ちによる感染

3. 母子感染(感染した母親から生まれる赤ちゃんの約30%が感染します。また母乳から感染することもあります。

エイズの治療

1.HIVの増殖を抑えるための治療

 AZT(アミドチミジン)、ddI(ジデオキシイノシン)及びddC(ザルシタビン)の3種類の医薬品が使われています。これらの医薬品は、体の中のHIVの増殖を抑え、病気の進行をくい止める効果を持っています。

2.合併症に対する治療

合併症に対する様々な医薬品が使われています。例えば、カリニ肺炎に対しては、ST合剤及びペンタミジンが使われて います。かつてはエイズ患者の死因の大半を占めていたカリニ肺炎に対してこれらの医薬品が使われるようになってからは、カリニ肺炎による死亡例は激 減しました。

3.免疫力を高めるための治療

 免疫力を高めるため、漢方薬などが使われています。エイズ治療が効果を上げるためには、医薬品の他に、早期発見、栄養バランスのとれた食事、適度な運動と十分な休養、医療従事者によるカウンセリングや周囲の人々の精神的な支援などが重要です。


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