不整脈の管理基準


 小児不整脈の管理基準(基礎疾患をもたない不整脈を対象として)

不整脈の種類 条 件 管 理 区 分
洞性不整脈 単一波形・固定連結時間・PVC short runなし・R on Tなし 管理不要
心室性期外収縮(PVC) QT(QU)延長なし
PVC後のT異常なし・上の条件を満たさないもの 3-E可
運動負荷で悪化するもの 3-Dまたは
多源性PVC  3-E禁
心室性副収縮 VTの既往なし
運動負荷にて増悪なし 3-E禁または可
心房性 管理不要
結節性
上室性期外収縮 多発症・発作間隔≧1か月・発作持続が短い・自覚症状なしまたは軽度・心不全なし 3-E禁または可
上室性頻拍症(SVT) (心房細・粗動 も含む) 運動負荷によりSVTの誘発なし・発作により心不全あり 3-E禁
上の条件を満たさないもの・治療によりSVTが軽減する 2-3-D
薬物抵抗性・心不全あり 1-BまたはC
失神発作または心不全あり 1-AまたはB
失神発作または心不全の既往あるが,薬物が奏効しかつ運動負荷により誘発されないもの 2-CまたはD
心室性頻拍症(VT) 失神発作なし・心不全なし・自覚症状なし・運動負荷により誘発されない 3-Dまたは3-E禁
QT延長症候群 1-2-BまたはCまたはD
SVTの既往のないもの 3-E可
WPW症候群
LGL症候群 SVTの既往のあるもの 既往に準じる
期外収縮合併例 3-E可または禁
完全右脚ブロック 1-B〜Dまたは3-E可
完全左脚ブロック 2-B〜Dまたは3-B〜D
1度房室ブロック 運動負荷により正常化 管理不要
小学生 運動負荷によりPR延長・ P-R≧0.20秒 3-E可または禁
中学生 運動負荷にて2度以上のブロックに進行 ・P-R≧0.22秒 出現したブロックの項目参照
運動負荷でWenckebach型が洞調律になるもの  3-E可または禁
2度房室ブロック
運動負荷で1度に戻る 3-E可または禁
運動負荷で3度に進む 3度ブロックの項目参照
運動負荷時,心拍数が基本調律の 1.5〜2倍以上 3-DまたはE禁
完全(3度) 房室ブロック 自覚的,他覚的心不全症状なし
運動負荷時に頻発発するPVCまたは short runがあるもの 2〜3-B〜C
心不全・Stokes-Adams発作を伴うもの 1-B〜C
高度な徐脈・心不全あり 2-B〜C
洞不全症候群(SSS) 軽度の徐脈・運動負荷,硫アト負荷で心拍数増加良好 3-C〜D
Stokes-Adams 発作を伴うもの・心不全あり 1-A〜B
間欠的 ・運動負荷で洞調律 管理不要
房室解離 恒久的 3-E可
運動負荷でも洞調律にならないもの または禁

この管理基準は一応のめやすである.個々の症例によって基準を変更することができる.

注1:特に専門医による管理指導が必要なものは,基礎心疾患をもつ不整脈および上室性頻拍,心室性頻拍,QT延長症候群,完全左脚ブロック,完全房室ブロック,洞不全症候群などである.

2:運動負荷試験は心拍数150/分以上になることを目標とする,ただし,上記注1の不整脈については,専門医の十分な監視のもとに行われるべきである,運動負荷試験の方法としては疾走,跳躍,下肢屈伸,階段昇降,マスター法,エルゴメーター法,トレッドミル,その他がある.

3:上部,中部,下部結節調律,冠状静脈洞調律,左房調律,下部心房性調律,および移動性ペースメーカーなどは管理不要とする.


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