心疾患の管理と指導
川崎病既往児の管理のめやす
A 群
病 状
重篤な心臓血管系後遺症,すなわち心筋梗塞およびその既往,狭心症,中等度以上の弁膜症,心不全,重症不整脈などを認める者
長期管理
専門医の指示に従う
生活・運動の管理
専門医の指示に従う
B 群
病 状
川崎病回復期以後に冠動脈造影検査を実施した者(A群に属する者は除く)
長期管理
発病後6か月,1年に定期検査を行う.その後は少なくとも入園,入学,卒業などの機会に定期検査を行うことが望ましい
生活・運動の管理
規制の必要はない
病 状
異常者
長期管理
心電図(負荷心電図を含む),胸部X線写真,断層心エコー法による定期検査が必要である.その間隔は,症状,所見に応じて決める.また冠動脈造影検査を反復実施する
生活・運動の管理
魑) 5歳以上で狭窄のない冠動脈瘤を有する者は,学童心臓病管理区分のDまたはEとして管理する
魘) 5歳以上で次の1〜3に該当する者は,学童心臓病管理区分のCまたはDとして管理する
1.心電図(負荷心電図も含む)に虚血性変化が新たに出現した者
2.冠動脈造影検査で狭窄病変も発見された者
3.弁膜症が新たに発見された者
C 群
病 状
発症2か月以内に断層心エコー図検査を実施した者
1.断層心エコー法で冠動脈の拡張あるいは瘤形成を認めたが,その他の異常所
見なく無症状の者
長期管理
1〜3か月ごとに断層心エコー法や心電図,必要に応じて胸部X線などによる定期
検査を行う.冠動脈造影検査は冠動脈の狭窄病変の有無を確認するために実施す
るのが望ましい.また年長児になりクラブ活動をする際は特に必要である
生活・運動の管理
B群の異常者に準じる
病 状
2.断層心エコー法で一過性に冠動脈拡張あるいは瘤形成を認めたが,その他,
冠動脈病変が正常化した者
長期管理
冠動脈病変が正常化した後は必要に応じて断層心エコー法や心電図による定期検
査を行う.1年後の断層心エコー法で異常なしと再確認できた者は,その後の定期
検査は少なくとも年1回行うこととしてよい.なお心電図や負荷心電図所見より冠
動脈狭窄病変が疑われる例では冠動脈造影検査を実施するのが望ましい
生活・運動の管理
原則的に規制しない
病 状
3.急性期と回復期のいずれの断層心エコー法でも異常所見を認めなかった者
長期管理
発症後6か月,1年に定期検査を行う.その後は少なくとも入園,入学,卒業な
どの機会に検査するのが望ましい.本群では冠動脈造影検査は不要である
生活・運動の管理
規制の必要はない
D 群
病 状
発症2か月以内に断層心エコー法を実施しなかった者
断層心エコー法を実施して,治療,長期管理方針を決定するのが望ましい
長期管理
心血管系の後遺症が疑われる者(虚血性心電図変化を認めた者,弁膜症を残した者,心膜炎のあった者,腋窩動脈瘤などの末梢動脈瘤を認めた者,またはスコア6点以上の者など)は専門医による長期管理が必要である.その他の者は,発病後1〜2年は3〜6か月ごと,その後は年1回の定期検診を行う
生活・運動の管理
5歳以上でも原則的に運動制限はしないが,心血管系の後遺症が疑われている抗血栓薬などを服用している者は,学童心臓病管理区分に従って管理する