クエン酸シルデナフィル(添付文献)



一般名 バイアグラ25mg/50mg
承認番号
25mg:21100AMZ000530000
50mg:21100AMZ000540000
承認年月日
平成11年1月25日

【禁忌事項】
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2)硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤を服用中の患者
3)心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者
4)重度の肝障害のある患者
5)低血圧の患者(血圧<90/50mmHg)又は治療により管理されていない高血圧の患者(安静時収縮期血圧>170mmHg又は安静時拡張期血圧>100mmHg)
6)脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ケ月以内にある患者
7)網膜色素変性症患者

【効能・効果】
勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその持続が出来ない患者)

【用法・用量】
通常、成人には一日一回シルデナフィル25mg〜50mgを性行為の約一時間前に経口投与する。高齢者(65歳以上)、肝障害のある患者及び重度の腎障害(Ccr<30mL/min)のある患者については、本剤の血漿中濃度が増加することが認められているので、25mgを開始用量とすること。一日の投与は1回とし、投与間隔は24時間以上とすること。

【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)陰茎の構造上欠陥のある患者
(2)持続勃起症の素因となりえる疾患(鎌状赤血球性貧血等)の患者
(3)他の勃起不全薬を投与中の患者
(4)出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者(ニトロプルシドナトリウムの血小板凝集作用を増強することが認められている。安全性は確立されていない。)
(5)高齢者(65歳以上)では、血漿中濃度が増加することが認められているので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること
(6)高度の腎障害(Ccr<30mL/min)のある患者は血漿中濃度が増加することが認められているので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること
(7)肝障害のある患者は血漿中濃度が増加することが認められているので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること
(8)
非特異的チトクロームP450 3A4阻害剤を投与中の患者は血漿中濃度が増加することが認められているので、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること

2.重要な基本的注意
(1)投与に際しては、勃起不全及びその基礎疾患の診断のため、既往歴の調査や諸検査を行い、客観的診断に基づき臨床上治療が必要とされる患者に限定すること。
(2)性行為は心臓へのリスクを伴うため、勃起不全の治療を開始する前に心血管系の状態に注意を払うこと。本剤は血管拡張による降圧作用を有するため、硝酸剤や一酸化窒素(NO)供与剤の降圧作用を増強することがある。
(3)脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ケ月以内にある患者は禁忌であるが、それ以前に脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴のある患者に投与する場合は、心血管系の障害に有無を十分確認すること。
(4)4時間以上の勃起の延長や持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国市販後有害事象で少数報告されている。持続勃起にたいする処置を速やかに行わないと、陰茎組織の損傷あるいは勃起機能を永久に損なう恐れがあるので、勃起4時間以上持続する症状が見られたときは、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
(5)本剤は催淫剤又は性欲増進剤ではない。
(6)臨床試験において、めまいや視覚障害が認められるので自動車の運転には注意を払わせること。
(7)食事とともに本剤を投与すると、空腹時に投与した場合に比べ効果発現時間が遅れることがある。

3.相互作用
(1)併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・処置方法 機序・危険因子
硝酸剤及びNO供与剤 併用により、降圧作用を増強することがある。 NOはCGMPの産生をを刺激し、一方本剤はCGMPの分解を抑制することから、両者の併用によりCGMPの増大を介するNOの降圧作用が増大する。

(2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・処置方法 機序・危険因子
非特異的チトクロームP450 3A4阻害剤(シメチジン* **等) シメチジンとの併用により、本剤のCmax、AUCの増加が認められたという報告がある。 代謝酵素阻害薬によるクリアランスの減少。
チトクロームP450 3A4の特異的阻害薬(エリスロマイシン、ケトコナゾール、イトラコナゾール等) エリスロマイシンとの併用により、本剤のCmax、AUCの増加が認められたという報告がある。 代謝酵素阻害薬によるクリアランスの減少。
チトクロームP450 3A4 誘導体(リファンプシン等) 本剤の血漿濃度が低下するおそれがある。 代謝酵素阻害薬によるクリアランスの減少。
降圧剤(アムロジピン等) アムロジピン等の降圧剤との併用で降圧作用を増強したとの報告がある。 本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用による降圧作用を増強するおそれがある。

4.副作用
(1)国内データ
承認時までに、本剤25mg〜50mgを投与された総症例157例中40例(25.48%)に副作用、31例(19.75%)に臨床検査値異常変動が認められた。
主な副作用は、頭痛20例(12.74%)、ほてり16例(10.19%)、視覚障害3例(彩視症1例、光視症1例、眼球充血1例)(1.91%)等であった。主な臨床検査
値異常変動は、CPKの上昇が132例中9例(6.82%)であった。
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。

種類/頻度

5%以上

1%〜5%未満

1%未満

循環器 ほてり 高血圧、潮紅 動悸、不整脈、不完全右脚ブロック
精神・神経系 頭痛 混迷 めまい、無気力、傾眠、記憶力低下、興奮、不眠症
肝臓 血清蛋白減少、血清アルブミン低下、総ビリルビン値上昇、血清GOP上昇、血清GPT上昇、血清LDH上昇、r-GTP上昇、トリグリセライド上昇 LAP上昇、血清アミラーゼ上昇、血清リン脂質上昇
消化器 下痢、消化不良、胃不快感、便秘、腹部膨満感、口唇乾燥、舌苔
泌尿・生殖器 陰茎疼痛、半勃起持続、朝立ちの延長、射精障害
皮膚 かゆみ、眼瞼掻痒感、皮膚乾燥
血液 Ht値減少、白血球増多症、好酸球増多症、リンパ球増多症 赤血球減少症、赤血球増加症、血色素減少症、ヘマトクリット値増加、リンパ球減少
感覚器 彩視症、光視症、眼球充血
その他 CPK上昇 BUN上昇、尿沈査赤血球増加 疲労、筋肉痛、血中尿酸上昇、血中ナトリウム低下、血清無機リン上昇、尿蛋白陽性、尿糖陽性、ウロビリノーゲン陽性

(2)外国データ
1)臨床試験
外国で実施された第相試験及び第。相試験でプラセボを対照とした固定用量試験(用時投与)において、本剤25mg及び50mg投与例823例では、頭痛109例(13.2%)、血管拡張(潮紅)125例(15.2%)、消化不良28例(3.4%)及びめまい18例(2.2%)が主な副作用であった。

種類/頻度

2%以上

2%未満

循環器 血管拡張(潮紅) 頻脈、心悸亢進、胸痛、末梢性浮腫
精神・神経系 めまい、頭痛 緊張亢進、異常感覚、不安、不眠、傾眠、錯乱、神経炎、神経過敏症、神経症、思考異常、両下腿傾直
肝臓 肝機能検査異常、血清GOT上昇
消化器 消化不良 燕下障害、嘔気、おくび、消化管障害、嘔吐、胃炎、下痢、便秘、舌疾患、腹痛
泌尿・生殖器 射精障害
呼吸器 喘息、呼吸障害、鼻炎
筋・骨格系 関節痛、筋肉痛、骨痛、背部痛
皮膚 脱毛症、男性型多毛症、発疹、皮膚疾患、発汗
感覚器 結膜炎、まぶしい、屈折異常、耳の障害、目の乾燥、味覚倒錯、視覚異常、流涙異常
その他 無力症、疼痛、インフルエンザ症候群、体重増加、リンパ節症

2)外国市販後有害事象
 外国における市販後の自発報告により、以下の有害事象(因果関係不明のものを含む)が報告されている(頻度不明)。これらは100mg投与例も含まれている。
心血管系:心原性突然死、心筋梗塞、心室性不整脈、脳出血、一過性脳虚血性発作と高血圧などの重篤な心血管系障害が本剤投与後に発現している。全てではないが、これらの多くが心血管系のリスクファクターをすでに有している患者であった。多くの事象が、性行為中又は性行為後に認められ、少数例であるが性行為なしに本剤投与後に認められたものもあった。その他は、本剤を投与し数時間から数日後に報告されている。これらの症例については、本剤、性行為、本来患者が有していた心血管系疾患、これらの要因と組み合わせ又は他の要因に直接関連するかどうか確定することは難しい。
その他の事象:神経系、泌尿生殖器系、感覚器(眼)系に対する影響も考慮すべきだ。

5.高齢者への投与
 高齢者では、本剤のクリアランスが低下するため、低用量(25mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。

6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
 女性に対する適応はない。

7.小児等への投与
 小児等に対する適応はない。

8.過量投与
(1)症状 外国において健常被験者に800mgまで単回投与した場合、有害事象は低用量で認められたものと同様であったが、その頻度と重症度は上昇した。200mg投与ではより高い有効性を示すことはなかったが、有害事象(頭痛、潮紅、めまい、消化不良、鼻炎、視覚異常)の発現率は増加した。100mgの有害事象の発現率は、承認用量である25mg、50mgより高かった。
(2)処置 過剰投与の際の特異的な薬物療法はないが、適切な対症療法をを行うこと。本剤は血漿蛋白結合率が高く、尿中排泄率が低いため腎透析によるクリアランスの促進は期待できない。

9.適用上の注意
 PTPに包装されているので誤飲に注意。

10.その他の注意
(1)STDを防ぐ機能はない。
(2)動物実験で動脈炎発症の報告がある。
(3)長期投与では眼科的検索が必要である。

【薬物動態】
1.血中濃度
(1)単回投与
健常成人20名にシルデナフィル25,50,100及び150mgを単回経口投与した時のCmaxはそれぞれ105,192,425及び674ng/mLであった。AUC0-tはそれぞれ231,504,1148及び1977ng・hr/mLであり、投与量に比例して増加した。血漿中のシルデナフィルは終末相における半減期(T1/2)3.23〜3.31時間で速やかに消失した3)。
(2)連続投与
健常成人6名にシルデナフィル50及び100mgを1日1回7日間反復経口投与した時のCmin(投与後24時間値)は試験期間中を通して定量限界値(1ng/mL)付近であった。Tmax及びT1/2は7日間の反復投与により変化はしなかった4)。
(注:本剤の日本での承認用量は1日1回25mg〜50mgである。)

2.代謝・排泄
(1)健常成人6名にシルデナフィル10,25,50,75,100及び150mgを単回経口投与した時の投与後48時間までの投与量に対する未変化体の累積尿中排泄率は、0.3〜0.6%と僅かであり、投与量に関係なくほぼ一定の値を示した8)。
(2)健常成人6名にシルデナフィル50又は100mgを1日1回7日間反復経口投与した時の投与量に対する未変化体の24時間毎の尿中排泄率は0.2〜0.9%の間で推移し、単回投与時と同程度であり反復投与による変化はなかった7)。
(注:本剤の日本での承認用量は1日1回25mg〜50mgである。)

3.食事の影響
健常成人16名にシルデナフィル50mgを食後又は空腹時に単回経口投与し、体内動態に及ぼす食事の影響を検討した。シルデナフィルのTmaxは食後及び空腹時投与でそれぞれ3.0及び1.2時間であり、食後投与により吸収速度が有意に減少し、Tmaxが1.8時間延長することが認められた。Cmaxは食後投与で149ng/mL、空腹時投与で255ng/mLであり、AUC0-∞はそれぞれ697.5及び806.2ng・hr/mLであった。食後投与によりCmax及びAUC0-∞は空腹時に比べてそれぞれ42%及び14%有意に減少した9)。

4.高齢者
外国人のデータ
健常高齢者(65歳以上)15名及び健常若年者(18〜45歳)15名を対象にシルデナフィル50mgを単回経口投与した時のTmaxは高齢者及び若年者でそれぞれ1.2時間及び1.1時間となりほぼ同様であった。Cmaxは高齢者で302.5ng/mL、若年者で178.2ng/mLであり、高齢者は若年者より60〜70%高い値を示した。AUC0-∞は高齢者及び若年者でそれぞれ1077.0ng・hr/mL及び586.0ng・hr/mLとなり、高齢者が若年者の約2倍高い値を示した。T1/2は高齢者で3.8時間、若年者で2.6時間であり、高齢者において長かった。高齢者ではクリアランスが有意に減少することが示された10)。

5.腎機能障害患者
外国人のデータ
健常者8名及び腎機能障害患者16名を対象にシルデナフィル50mgを単回経口投与した時、腎機能の低下が軽度(クレアチニンクリアランス:Ccr=50-80mL/min)及び中等度(Ccr=30-49mL/min)の障害者では血漿中シルデナフィルのCmax及びAUC0-∞は健常者における値と有意差がなかったが、重度障害者(Ccr<30mL/min)ではCmax及びAUC0-∞ともに健常者に比べて約2倍と高い値を示した11)。

6.肝機能障害患者
外国人のデータ
健常者12名及び肝機能障害患者12名を対象にシルデナフィル50mgを単回経口投与した時のシルデナフィルのCmax及びAUC0-∞の平均値は健常者に比較して、それぞれ約47%及び85%増加し、シルデナフィルのクリアランス(CL/F)は46%減少した12)。

【臨 床 成 績】
1.臨床効果
主として臨床効果はIIEF(International Index of Erectile Function:国際勃起機能スコア)質問票(15質問)のうち、挿入の頻度に関する質問「ここ4週間、性交を試みた時、何回挿入することができましたか?」及び勃起の維持に関する質問「ここ4週間、性交中、挿入後何回勃起を維持することが
できましたか?」により行い、以下のスコアで評価した。
スコア
性交の試み一度もなし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0
毎回又はほぼ毎回(10回中9回以上)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
おおかた毎日(半分よりかなり上回る回数:10回中7回程度)・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
時々(10回中5回)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
たまに(半分よりかなり下回る回数:10回中3回程度)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
全くなし又はほとんどなし(10回中1回以下)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
国内の後期第2相試験、欧州及び米国の第3相試験では、「挿入の頻度」及び「勃起の維持」ともに全体として群間に有意差が認められた。さらに、本剤の各用量群とプラセボ群の間に有意差が認められた。

【薬 効 薬 理】
1.PDE5阻害作用
ヒト陰茎海綿体のcGMP分解酵素であるPDE5の活性を、選択的かつ競合的に阻害した(IC50値:3.5nmol/L)。
2.陰茎海綿体内cGMP増大作用
NO供与体であるニトロプルシドナトリウム(SNP)との併用により、cAMP量に影響を及ぼすことなく、摘出ウサギ海綿体内のcGMP量を増大した(EC50値:0.43〜0.52μmol/L)。
3.海綿体弛緩増強作用
摘出ヒト海綿体の経壁神経刺激による弛緩反応を10nmol/L以上で増強し、100nmol/L以上で弛緩反応の持続時間を延長した。また、SNP及び海綿体内皮細胞に作用してNOを遊離させるメサコリンによる摘出ウサギ海綿体の弛緩反応を10nmol/L以上で増強した。
4.海綿体内圧増強作用
血圧及び心拍数に影響を及ぼすことなく、骨盤神経刺激およびSNPによる麻酔イヌの陰茎海綿体内圧の上昇を増強した(ED50値:12.0μg/kg 神経刺激、16.2μg/kg SNP;静脈内投与)。

【有効成分に関する理化学的知見】
一般名:クエン酸シルデナフィル(sildenafil citrate)
化学:1-[[3-(6,7-dihydro-1-methyl-7-oxo-3-propyl-1H-pyrazolo[4,3-d]pyrimidin-5-yl)-4-ethoxyphenyl]sulfonyl]-4-methylpiperazine
monocitrate
分子式:C22H30N6O4S・C6H8O7
分子量:666.71
構造式:構造式
性 状:クエン酸シルデナフィルは白色の結晶性の粉末である。ジメチルアセトアミドに溶けやすく、水又はメタノールに溶けにくく、アセトニトリル、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。



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