医学の真贋
丸山ワクチンと中井久夫
丸山ワクチンは日大の皮膚科教授丸山千里が開発した全てのがんに効くと言う医薬品だ。人類の最大のなんてきであるがんを倒すと言う理想のワクチンである。ほんとにそうだろうか。最近どうも再び免疫療法が蠕動してきたようだ。中井久夫は精神医学者(?)と思うが、色々の体験から、自らの自身の体験から、丸山ワクチンの有効性を論じておられる。その論法はおよそ科学者の態度ではない。何故効いたか、何故効くか科学的論証が全く無い。中井久夫は若いときウイルスの研究にも携わり、いつから精神医学を専攻するようになったのか、良く解からん経歴の持ち主だ。たしかに丸山ワクチンを使って直った例もあるだろう。しかしそれが丸山ワクチンによる治験例とどうして主張できるのか。自然治癒かも知れないし、他の薬剤の作用かもしれない。自検例の前立腺がんの場合も丸山ワクチンによる寛解例とは素人目にも考え難いものだ。この例は丸山ワクチンを使わなかっても治癒していたかもしれない。ごく最近の報告では前立腺がんなんて積極的に処理すべきものだはないようだ。中井久夫の話は非科学的な論議なのだ。ガンの治療薬と言う点から言えば「鼻くそ」以下の存在かも知れない(臨床瑣談)。偉い高名な学者が言ったからと言って真実ではない。善良な患者さんを欺くだけ罪は重い。素人がアレコレ言うのと訳が違う。少なくとも大学教授だったものの発言として、ましてペイパーに書いた発言として重く受け止めたい。戦後は駅弁大学も増えた。神戸大学(兵庫医科大学)は国立の急成長株だ。餅は餅屋に任せるべきで専門家でないものは軽々しく発言すべきでない(勿論科学的ダータと共に発表するのはよいが)。
中井久夫の主張は、抗がん剤はがんに対する直接的アプローチである。がん細胞以外の分裂がそれほど盛んでないことに頼っている。抗がん剤の投与には多くの工夫が見られるが生体全体に大きな影響を与えることは否めない。丸山ワクチンは間接的アプローチである。がん細胞を直接攻撃するのでなく、それを囲い込む。丸山ワクチンで目立つのは対象の広さすなわち非特異性である。何を取り違えたのか知らないが、丸山ワクチンはがんのみならず全ての病気に効能を発揮すると仰っているようだ。勿論全て事実ならば、夢の新薬、ノーベル賞でも挙げたい。とうとう頭にきてしまったのかもしれない。気の毒に、天才とキチガイとは紙一重なのだ。中井はゼリアから何ぼ掴まされているのだろう。
丸山ワクチン(まるやまワクチン、英:Specific Substance Maruyama;SSM)とは、1944年に皮膚結核の治療薬として誕生した薬である。蛋白質を除去したヒト型結核菌青山B株から抽出したリポアラビノマンナンおよびその他のリポ多糖(LPS)を主成分とする。
発明者丸山千里(まるやま ちさと。日本医科大学名誉教授・元学長、1901.11.27〜1992.3.6)の名前から後に「丸山ワクチン」と呼ばれるようになったこのワクチンは、ドイツのロベルト・コッホが1890年に発明したヒト型結核菌製剤ツベルクリンにヒントを得ている。現在では結核診断用の薬剤として知られるツベルクリンは、もともとは結核の免疫療法として開発されたものだったが、逆に症状を悪化させる結果を招き、治療薬としては失敗に終わった。丸山はコッホの試みに強い関心を持ち、「副作用につながる毒素を特定し、それをツベルクリンから取り除く」という発想の下に実験に着手。その結果、ヒト型結核菌においては蛋白質が病状を、多糖体が治癒を促進するものであることを突き止めた。
1945年より丸山は、開発した多糖体を主成分とするワクチンによる治療を開始。皮膚結核、肺結核に対して著しい効果をもたらすだけでなく、やがて結核菌近縁の抗酸菌であるらい菌を病原とするハンセン病にも効果が確認された。
丸山はさらに、上述2種の病の患者にはがんが少ないという観察結果をもとに(実際の因果関係は不明で交絡因子によるバイアスが推測されている)、がん治療にワクチンを用いることを決意する。 そして、昭和40年代以降『がんの特効薬』との噂が一気に高まり、医薬品の承認の手続きより世論が先行することになってしまった。 癌患者やその家族の団体による嘆願署名運動などが行われ、国会でも医薬品として扱うよう要請されたが、今日においても、その薬効の証明の目処は立っておらず、医薬品として承認されるには至っていない。
放射線療法による白血球減少症の治療薬として、1991年認可された「アンサー・20」(ぜリア新薬工業)は、丸山ワクチンと同成分である。丸山ワクチンが効果ありとされた白血球減少症は、悪性腫瘍によって引き起こされる症状、あるいは、その化学療法や放射線療法時の副作用である。丸山および丸山ワクチンの支持者たちは、抗がん剤として認可されることを切望していたが、"放射線療法時の白血球減少抑制剤"としての認可に留まり、生みの親である丸山が部分認可の9カ月後に死去したため、丸山の生存中にはついに抗がん剤としての認可は果たせなかった。しかし、支持者たちの需要は以後も衰えず、末期がん患者の最後の切り札と位置づけ、現在でも抗がん剤としての一刻も早い認可を望んでいる。それでなくても国民総医療費の高騰する中、効果のはっきりしない医薬品まで保険の適用にする理由がないようだ。
丸山ワクチンが世上の問題になってから、すでに30年以上の月日が経過しましたが、免疫療法やがんとの「共存」問題など、専門家の間での考え方も大分変わってきました。また治験のための3年ごとの申請も必要なくなり、丸山ワクチンの供給体制にも変化がみられました。この間、濃度の高い薬はすでに「放射線療法による白血球減少抑制剤」として認可されました。しかし、丸山千里先生が主張されたSSM(丸山ワクチン)、つまりがん免疫療法剤として適切な、より濃度の低いものはまだ陽の目をみていません。
がん対策として患者の声をきき、またその希望に応じて多様な療法を選択できるようにすべきだという時代が到来したいま、丸山ワクチンとがんについて、もう一度みなさんとともに考え、研究を進めるために、NPOをたちあげることにしました。術後の転移を防ぎ、またがんとの共存を図り、さらに発病以前の予防などについて、ご意見・ご要望があれば、専門家の意見を聞きながら、いろいろ新しい試みをしたいと考えています。
なんら科学的根拠も無いものを医薬品として採用するなんて土台無理な話だ。医療費の浪費につながる。藁にも縋りつきたい、救いのない消費者(患者)が可愛そうだ。無知な患者さんを騙し、欺く厚労省の欺瞞に満ちた、やりかたに憤慨する。なんぼ薬効で縛りを賭けても、世論に押されてその流れに入ってしまう。恐ろしいことだ。なんぼ医療費があっても、これじゃ病院から患者さんを追い出さねば収支勘定が合わないだろう。
《文中敬称略)