中絶胎児の細胞移植、北京で仲介
日本人の脊髄(せきずい)損傷患者が中国で中絶胎児の細胞移植を受けた問題で、中国医師と日本人の仲介組織が北京に存在することが明らかになりました。 「脊髄損傷国際回復支援センター」で日本語のホームページ(<http://www.spine-damage.com/>)も開設し、日本人男性がセンター長を務めています。
完全性脊髄損傷症に罹ったら損傷された部位から下の部分の感覚を永久に失い、これは千百年来変わらないといわた残酷な現実です。今まで臨床上治療の方法がまったくない病気として認識されており、世界の医学会の最大の難題であります。しかし、中国のDr.黄紅雲博士は世界に率先してOEG細胞移植の方法を利用してこの難関を突破しました。
今、予約されている患者は既に数千名にのぼり、その手術を待っています。毎年400名を手術したとして、予約済みの患者のみ治療しても10年が掛かります。しかし、世界では脊髄損傷に苦しんでいる患者が何千万人もいます。現在、オーストラリアとポルトガルでこの方法を取り入れてはいます。しかし、まだ数例しか治療できていないのが現状です。また、アメリカ、スペイン、イギリス等の国々も準備の段階に入っています。当センターではDr.黄氏の代理人として世界のより多くの患者の方々にこの治療法を取り入れて頂くため、外国人専用支援室を開設致しました。(費用は約280万円程要するらしいが、直接申し込みすると210万円ほどで済むらしい。いずれにしても、非常に多額で、かつ治療効果は不明である。)
実名(?)入りの、成績効果が発表されているが、確実なエピデンスがあるのかなあ。
中絶胎児の細胞で再生治療、脊髄損傷患者が中国渡航
治療が極めて難しい脊髄(せきずい)損傷患者が、中絶胎児の細胞を使った再生治療を受けるため、中国へと渡っている実態が、6日開かれた総合科学技術会議の生命倫理専門調査会で明らかになった。中絶胎児の細胞を治療に用いる是非については、厚生労働省の審議会で議論されているが、倫理的問題が大きく、結論は1年以上先延ばしされている。安全性も効果も不透明で、患者団体からも懸念する声も上がっている。脊髄損傷の患者団体「日本せきずい基金」の大浜真・理事長が専門調査会で行った説明によると、この治療法は、北京の首都医科大学の医師が開発し、これまで少なくとも日本人2人が治療を受けた。具体的には、中絶胎児の鼻の粘膜細胞を採取し、培養後に患者の病変部付近に注入して、脊髄の神経細胞の再生を促すとされる。医師は過去3年間で三百数十人の中国人に実施し、運動機能や痛覚に一定の機能回復が見られたと、報告している。医師らが設けたホームページには、日本語による案内も紹介され、5年後には日本人専門病院の建設も予定しているという。大浜理事長は「何人もの患者から問い合わせが来ている。効果や安全性はよく分からない状況だが、患者に『行くな』とも言えない。日本でも早く、中絶胎児の細胞の利用について結論を出してほしい」と訴えている。
中絶胎児の細胞移植 脊髄損傷の日本人9人 中国で手術
3人死亡、効果不明
交通事故などで脊髄(せきずい)を損傷し重い障害を負った日本の患者九人が中国に渡航し、中絶胎児の細胞を移植する手術を受けていたことが二十二日、分かった。このうち三人は手術後に死亡。移植との因果関係は不明だが、手術の有効性も明らかでなく、患者支援団体「日本せきずい基金」(東京都府中市)では「現段階で勧められる治療法とはいえない」としている。手術を実施しているのは北京の首都医科大学の黄紅雲教授らのチーム。中絶胎児の鼻の神経細胞を、患者の脊髄損傷部付近に移植するもので、分化する能力の高い細胞による再生医療の一種という。2001年からこの手術を始め、日本からの九人はいずれも今年二月以降に移植を受けた。同基金によると、この手術は(1)長期の治療実績がまだ明らかになっていない(2)移植する細胞の安全性が確保されているか不明(3)手術後に異常な痛みが頻発するが、治療法が明らかでない−などの問題点があり、六月には「これらの内容が明らかにされなければ、治療法の妥当性は評価不能」との見解を公表した。(産経新聞
7/22/04)
支援センターについて(HPの原文のまま)
脊髄損傷中国国際回復支援センターは、2003年中国首都医科大学付属朝陽病院神経外科のDr.黄紅雲氏とパートナーシップを結びました。Dr.黄紅雲氏は現在この病院の主任教授であり、世界で唯一OEGセル細胞移植の権威でもあります。当センターでは世界の国々で脊髄に障害をお持ちになった多くの患者の方々にこのOEGセル細胞移植のすばらしい情報を伝え、障害にお悩みの患者や家族の方々に少しでもご助力ができればと外国人専用の回復支援センターとして発足致しました。
現在OEGセル細胞移植は世界で最も進んでいる治療方法で、Dr.黄紅雲博士の他にオーストラリアとポルトガルで治療を行っています。しかしながら黄博士のところ意外の国では試験回数がまだ非常に少なく、この細胞採取及び臨床に於いてもまだまだ厳しい状況にあります。この画期的な治療を待つ患者は世界各地で既に予約済みの方だけでも数千名の患者がお待ちになっており、博士の治療で毎年400名の患者が治療を受けると計算して、新たな予約を含まなくても今の予約者の方々が全員手術を受けるのには10年も懸かってしまうのです。 そこで当センターでは少しでも早くより多くの患者の皆さんが治療できるよう5年後を目処にDr.黄紅雲脊髄損傷国際医院の建設を目指しています。また、当センターは外国人を中心とした体制が組まれております。センター直属の介護士達が日本語及び英語に堪能な上、日本や米国での多くの留学や研修を通して外国の文化を熟知していることから、患者の方々が安心して治療を受けることができます。術後の治療は中国高官専用病棟にて特別介護を受けることができ、中国国内では最も先進的なシステムが組まれております。また、当センターでは日本人スタッフを初め、日本語、英語に堪能な現地スタッフを用意し、中国渡航前の種々のご質問やサポート情報の提供、
Dr、黄氏へのメールの翻訳代行、Dr,黄氏と連携し、手術スケジュールや手術予定日の決定通知、そしてドクターからの連絡を患者の現地語に翻訳してお通知申し上げます。
センターメンバー一同患者の方々に細心のサービスを提供させていただき、少しでも皆様が、快適な治療が受けられるよう、体制を組ませていただきます。 また、患者の会との協力により、移植手術を経験した多くの患者本人からの貴重な意見や助言等により、術前、術後共にこれから手術を受ける患者の不安や疑問等にもスムーズな対応ができる体制を組み、患者の家族の方が付き添い滞在する場合でも快適な介護ができるよう、提携ホテルや通訳、運転手付き車、携帯電話等もご用意しております。以上のように当センターでは患者の方々が安心して中国での移植手術ができるよう万全を期しております。
◆生命倫理と治療、論議不足◆
中絶胎児の細胞移植を受けるため、日本人患者が次々に中国へ渡航している実態が明らかになってきた。
国内では、日本産科婦人科学会が研究目的の使用だけは容認しているが、治療での基準はなく、厚生労働省の専門委員会で指針作りが進んでいる。
胎児の細胞は未分化で神経細胞などに育つ能力を持つ。脊髄損傷やパーキンソン病など手立てのない難病の再生医療に応用できる。一方、細胞の入手には中絶という微妙な問題があるうえ、医療資源として使うことに「胎児の尊厳が損なわれる」との批判も根強い。
人体の一部が、難病治療の期待と倫理的問題とで板挟みとなる例は、中絶胎児細胞だけではない。受精卵を壊して作る胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や、卵子を材料に作り、拒絶反応のない移植医療の期待があるクローン胚など、最近、同時進行的に問題が噴出している。
クローン胚の作製は、総合科学技術会議・生命倫理専門調査会で「容認」と決まったが、慎重派から議論不足との批判も相次いだ。厚労省専門委では中絶胎児の細胞利用も認める方針が出たが、中国渡航の実態調査すらしておらず明らかに論議不足だ。
個別に問題を検討するのではなく、先端医療と生命倫理の関係を日本でどうとらえるか、広い視野で検討することが求められる。(7/22/04 読売新聞)
なんでも、かんでも商売に結びつける、誠に嘆かわしい。患者の弱みに着け込み、ハッキリとした効果も不明、安全性も問題含みだ。しかも、胎児の細胞を利用するという倫理の問題含みだ。なんぼ、中国でも胎児の細胞の入手はどうなっているのだろうか。医療の現場に株式会社が参入してくると、丸金主義がすべてを、支配する。死の商人達の、なんででもお金に結びつける、エゲツナイ、利益のみ追求する医学とは別世界の登場だ。