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(Under Construction)
メタボリック症候群
日頃の不摂生が跡まで糸を引く。宴会が多すぎる。でもここ数年は肉類には手を出していない。ワインもほどほどだが、友人に言わせれば、ワインの飲み過ぎだという。確かにそうかもしれない。次郎はフレンチパラドックスを信じていたのに。こんなもの当てにするほうが可笑しい。典型的な高コレステロール血症でずっと長いこと悩んでいた。スタチン(リピトール)を飲めば、幾らか検査値が下がるがTC(中性脂肪)がなかなか下がらない。総コレステロール値はほぼ正常以下になるがTCは上がりぱなっし、悪くすれば4桁にまで上昇するようだ。ダイエットも試みた。全く持って長続きせず、空腹には我慢できない性格だった。
今までにしてきた病気(既往歴)
以上の3つだけだが入院加療した。肝炎で入院した時は今ほど検索も十二分にすることが出来ず、今もって肝炎を特定することが出来ないでいる。まあB型肝炎の劇症型だったのだろう。いわゆる電撃型肝炎だった。死亡率70%だったようであるが悪運強く次郎は生き延びた。この時は大阪にある大学の付属病院に数ヶ月間お世話になったが、どうしても肝穿刺をやるというので逃げ帰った。それから6ヶ月肝機能は全く正常値になった。現在まで正常値のまま持続しているのである(GOT、GPT)。
尿管結石は体外衝撃波で割合簡単に処理できた。一回5000発で数回の衝撃で割れたのである。腎水腫の方は見る間に寛解していったが、長い期間の結石による閉鎖で腎の実質細胞は数ヵ月後萎縮してしまいその機能は発揮しないままのようで現在に到っている。つまり次郎の腎臓は一つしかないのと同じである。
前立腺がんの方も全摘の手術を受けたが、今から考えると正解だったかどうかは解からない。丁度5年前になるが当時と今日とではこと前立腺がんの考え方も異なり、当時としては最善の最高の方策を選択したものだった(第26回医学総会シンポジュウム)。医学の発展は恐ろしく早い。現在なら又違う選択支もあったかも知れない。5年間に亘ってリュープリン(11.25mg)の注射を続けた。現在PST値は最低レベルだ。
その他にも糖尿病、高血圧症、高脂血症があるようだ。全身創痍なのだった。我ながら恥ずかしい。
春頃(2008年)より体調芳しくない。4月県議会議員の選挙が行われ、当地区も該当人員削減のため1名のみとなった。激しい選挙戦が繰り広げられた。次郎の推薦する候補が危ないらしい。でも最後までやるしかない。後援会長として責任重大だ。昨年来色々と準備に追われる。2月地区の事務所が開設された。家から約50mの距離だ。でもこの50mがなかなか歩行が困難なのだ。凄い喘鳴で動けない。ほんの数分の歩行でも酷い喘鳴だ。椅子に腰掛けてゆっくりと呼吸しなければどうにもならない。予想に反して選挙は上手くいって次郎の推薦する候補が大差で勝った(後にこの議員さん自民党でもない少数派にもかかわらず県議会議長になってしまった)。でも次郎の体調は相変わらず厳しい。
10月ごろ知人の医師(心臓内科専門医)の押しかけ往診をうける。この医師には劇症肝炎になった時にお世話になった。入院検査を進められる。病院も予約、手配してくれたが気が進まないので断る。どうせ死ぬのなら家で死にたい。生まれ育った家で。相変わらず、少しの動作でも喘鳴が強く息切れが著明だ。とにかく喘鳴が激しい。どうも脈拍も速いようだ。%SpO2も95%を切るようだ。最低90%まで行った。内科医に言わせれば重態と言うことだ。心カテ(心臓カテーテル検査)も約10分で済むし、昔と違って安全だからと入院の手続きまでとってくれたがどうも気が進まない。病気の主病が心臓と決まったわけではない。この間胸痛等の症状は一切なかった。既往歴に記入していないが次郎の青春時代は麻雀の全盛時代、24時間中雀荘に入りびたりしていた。タバコの吸いすぎもあるようだ。一日400本を越えたことも珍しくない。朝起きるとまずタバコだった。それから寝るまで仕事中もズート口からタバコを離さなかった。夜になると朝開けたばかりのカートンが無くなり、100円玉を数個もって自動販売機に走ったものだ。次郎の好んだタバコはピースで缶入り50本の両きりで、甘いチョコレートのような香りが堪らなく忘れられない。それからゾルゲベルテ、ハーフ&ハーフ、モア、セブンスターと変化していったがいつの間にか止める事が出来るようになり、禁煙してからかれこれ20年以上になる。初めの頃は輸入タバコは市販されてなく、手に入れるのに苦労したものだ。そんなにまでしてどうしてタバコを吸い続けるのかとよく言われたがどうしても止められなかった。右手の人差し指と中指はまっ黄色から褐色に染まっていた。歯はお歯黒で仕事部屋も天井がヤニで変色していた。最近の考え方では喫煙した総本数でものごとを考えるらしいが、次郎は最高の部類(喫煙歴X本数)に属するだろう。しかし今でも空咳が出るし、慢性気管支炎だけは残ったようだ。
しかし考えてみれば、いままで人生で色んな病気をしてきて、この年まで働くことが出来たにのは幸せだったかも知れない。劇症肝炎になったとき、最低もう10数年は働きたいと思ったが、今日まで曲りながらも体も動きなんとか仕事もこなして来たのはほんとに幸せだったようだ。まあいわばお釣のお釣の人性なのだ。大切に使わして貰わなければ。
12月30日これも知人の若い医師(消化器内科専門医)が近くの大学病院に連れて行ってくれた。次郎が自身で運転し大学病院まで行った。動けば喘鳴が出てシンドイがただ座って運転するだけならどうということはなかった。年末の人手不足の中よくも診てもらえたものだ。受診したのは消化器内科であったが心電図の結果直ちに循環器内科に回され心カテ(心臓カテーテル)を直ぐにしてもらった。診断は狭心症という事だったが心筋梗塞もあるかも知れないということだった。今まで胸痛等の愁訴はなかった。心カテ中はベットに寝ながら心臓の血管が映し出されるTVの画面を見ていた。局所麻酔のもと、左の鼠頚部よりカテーテルを入れたようだが痛みも殆んど無く、苦しみといった類のものも何もなかった。カテーテルの結果、左の第4番目の冠動脈(上行枝と下行枝の2本があるらしい)が1本は細くなりかけているのでいわゆる風船で広げたようだ(ステント挿入)。もう一本の方は完全に詰まっており、風船では広げることは困難だったようだ。でも側副循環が機能しており壊死(心筋梗塞)には到っていないという。若い主治医は心筋梗塞でなく良かったと言った。暮の祭日にもかかわらず、沢山の医師たち、医療スタッフが集まってきてくれて処置をしてくれた。有難いことだった。大学だから出来たことで一般の病院ならどうなっていたことだろう。ここまでははっきりと記憶している。この年末にも拘らず大勢の医師やスタッフが集まってくれてなんとか命は助けていただいたようだが、大学病院なればこそ出来たことで、一般市中病院なんかであればどうなっていただろうか。現在の医療(医学)はチーム医療なのだ。なんぼ優れた医者が居たとしても一人では何の処置も出来ない。患者さんによってたかって多人数で治療が行われる、がそのまま意識不明状態になってしまったようだ。すべて記憶の無い状態だ。(以下次郎さん倒れるUに続く)
メタボリック症候群の診断基準(文献整理)
高血糖や高血圧はそれぞれ単独でもリスクを高める要因であるが、これらが多数重積すると相乗的に動脈硬化性疾患の発生頻度が高まるため、リスク重積状態を「より早期に把握」しようという試みが考えられてきた。このようなリスクの集積は、偶然に起きるのではなく、何らかの共通基盤に基づくと考えらている。日本では特に内臓脂肪の蓄積による肥満が共通の基盤として着目し、腹部肥満=男性型肥満ともいわれている上半身型肥満=リンゴ型肥満に対して注意が呼びかけられている。特に日本人は民族的特徴から、米国人よりこのメタボリックシンドロームに悪影響を受けやすいとされる。
2008年4月から始まる特定健診制度(糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査)では、メタボリックシンドロームの概念を応用して糖尿病対策を行う事を目指し、40歳から74歳までの中高年保険加入者を対象に健康保険者に特定健診の実施を義務化すると共に、メタボリックシンドローム該当者、または予備軍と判定されたものに対して特定保健指導を行うことを義務づける。5年後に成果を判定し、結果が不良な健康保険者には財政的なペナルティを課す事によって実行を促す。厚生労働省は、中年男性では二分の一の発生率を見込むなど、約2000万人がメタボリックシンドロームと予備軍に該当すると考えており、これを平成24年度末までに10%減、平成27年度末までに25%減とする数値目標を立てている。これにより医療費2兆円を削減する。「医療制度改革大綱」(平成17年12月1日 政府・与党医療改革協議会)の数値目標をなぞったもの。
基準値
基本的に「痛い」とか「辛い」といった自覚症状に乏しいのが生活習慣病の特徴であり、その治療は「自覚症状の緩和」ではなく、この病態を長期間・慢性的に持続させた結果として生じてくる「合併症予防」に目標がおかれる。メタボリックシンドローム(代謝症候群)の場合、動脈硬化の発生・進展防止が治療目標となり、そのための脂肪蓄積の進行防止・解消を目的に食事療法による摂取カロリーの適正化と、脂肪燃焼を促す目的での運動療法が基本となる。更に、食事・運動といった生活習慣の改善により解消されない危険因子(耐糖能異常、脂質代謝異常、高血圧など)に対しては薬物療法を並行して実施する場合もある。また、喫煙は個別の動脈硬化の危険因子である事が疫学的に証明されているので、禁煙努力も並行して行うべきとされている。
しかし検診・脳ドックなどで無自覚のまま動脈硬化の進展が検査などにより発見されたり、動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中など)を発症した場合は、降圧薬(降圧効果以外にも動脈硬化進展抑止作用があるとされるアンジオテンシンII受容体拮抗薬などがよく用いられる)、抗血小板剤(アスピリンなど)の投与などが検討され、バルーンカテーテル等による血管内療法や、血栓溶解療法、さらに冠動脈バイパス術のような外科的治療法がとられる場合もある。
また、メタボリック症候群を予防するために、肥満者の「流行」を予防する事が重要視されている。現在、BMI(体重/身長の2乗)30以上の肥満の頻度は、アメリカでは30%以上、日本では3%であり、これは肥満が個人の生活習慣というよりも、集団レベルの生活環境によって「流行」することを示していると考えられている。最近の研究で、肥満が社会的絆を介した「伝染病」であり、異性よりも同性に「伝染」し易いことが明らかにされている。肥満の「流行」を防ぐためには、個人の努力のみでは困難である事から、保健上の政策・制度的取り組みの必要性が生じている。特に高カロリー食品の規制が重要と考えられ、日本では野菜、魚、米を中心とした日本食を見直すようにともされて、日本国外ではこうした日本食が肥満防止に役立つために日本食ブームとまでなっている。肥満者は自分が責められていると感じる事から、このメタボリックシンドローム自体を否定することがあるが、肥満防止として個人の努力、家族の協力、政策・制度上の取組み実行は、メタボリック症候群予防に効果がある。
近年、心血管疾患と糖尿病は、肥満の流行する先進文明諸国の主要な疾患および死因となっており、その原因の解明と危険因子の同定のために多くの努力がなされてきた。危険因子の同定が進むにつれて、それらが同一個人に集積する傾向があることが明らかとなり、この危険因子の集積はメタボリック症候群と呼ばれるようになった。メタボリック症候群の主要な機序は、インシュリン抵抗性(1,2)、腹部肥満(3,4)、炎症(5,6)、と考えられ、他に、食事(7-9)、喫煙(10)、運動不足(11)、加齢(12)、社会経済的要因(9)、ホルモン失調状態(13)などが考えられる。 1981年、Rudermanらは代謝的に肥満だが正常体重(MONW)の人々が存在し、高インシュリン血症と脂肪細胞の肥大化が特徴であることを指摘し(14)、1988年、Reavenはインシュリン抵抗性と高インシュリン血症、高中性脂肪血症、低HDL血症、高血圧が集積して糖尿病と心血管疾患に至るとするsyndrome Xという概念を提唱した(1)。翌年、Kapranは腹部肥満、糖尿病、高血圧、高中性脂肪血症の集積を「死の四重奏」として提唱し(3)、1991年、DeFronzoとFerranniniはsyndrome Xと同様な概念をインシュリン抵抗性症候群と命名した(2)。1994年、中村らは、皮下脂肪は内臓脂肪の病的作用に対して、むしろ、生体保護的に作用すると考えて、内臓脂肪症候群なる概念を提唱し(15)、1998年、Lamarcheらは高インシュリン血症、アポリポ蛋白B高値、small dense LDLの組み合わせをatherogenic metabolic triadとして提唱した(16)。1999年、WHOはインシュリン抵抗性症候群の診断基準を初めて定義し、メタボリック症候群と命名したが(17)、ヨーロッパインシュリン抵抗性研究会(EGIR)はこれを改変して糖尿病を除外し、再びインシュリン抵抗性症候群と命名した(18)。2000年、Lemieuxらは男性で、atherogenic metabolic triadの簡便診断として高中性脂肪ウエストの概念を提唱し(19)、2001年、National Cholesterol Education Program (NDEP)のExpert Panel on the Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Cholesterol in Adult (ATPV)は腹部肥満、高血糖、高血圧、高中性脂肪、低HDLの5つの診断項目中3つを満たせばメタボリック症候群とする簡便な診断基準を発表して、これが世界的に普及した(20)。しかし、NCEP診断基準はインシュリン抵抗性の直接的なマーカーを含まないため、2003年、アメリカ臨床内分泌学会(AACE)は耐糖能異常を含み、糖尿病は除外したインシュリン抵抗性症候群の主観的な診断基準を提唱した(21)。2004年、Ridkerらは、高感度CRPが肥満とインシュリン抵抗性に強く関連しており、心血管疾患の危険因子としても確立したことから、高感度CRPをメタボリック症候群の診断項目に加えることを提唱した(22)。2005年、国際糖尿病連合(IDF)は腹部肥満を必須項目とするメタボリック症候群の世界統一診断基準を提唱したが、アメリカ循環器学会(AHA)とアメリカ心臓肺血液研究所(NHLBI)はIDF診断基準よりもNCEP診断規準の方が良いという共同声明を発表し(24)、アメリカ糖尿病学会(ADA)とヨーロッパ糖尿病学会(EASD)はこれまでのどの診断基準も症候群と称するに足る科学的根拠がないので、人々にメタボリック症候群というレッテルを貼ってはならないという共同声明を発表した(25)。この声明の中で以下の8項目の問題点が指摘されている。
この共同声明が発表されてから現在までメタボリック症候群診断の是非が論争されており(26-33)、その中で、ReavenはADAとEASDの共同声明に賛成して、メタボリック症候群でないと診断された人のほうがメタボリック症候群と診断された人よりも心血管疾患の危険度が高い場合がいくらでも想定されると述べている(28)。Grundyはメタボリック症候群は短期(10年)リスクを評価するための道具ではなく、長期リスクを評価するための道具であると述べているが(26)、Sundstromらは長期(30年)コホルト研究でメタボリック症候群はその個々の構成成分以上のリスクに関する情報を与えないと報告した(34)。この論争のさなかで、ADAとAHAは「心血管疾患と糖尿病を予防するために」と題する共同声明を発表し、その中で、メタボリック症候群の診断にかかわらず、その個々の成分と喫煙の予防と治療に努めるように呼びかけ、欧米諸国に蔓延している肥満に注意を喚起して生活習慣を変えることを奨励した(35)。2004年頃からメタボリック症候群に関する多くの疫学研究とそのメタアナリシスが報告されているが(36-42)、メタボリック症候群の心血管疾患発生率および死亡率に与える相対危険度は大まかに1.5−2.5と報告されている。また、IDF診断基準が発表されてから、IDF診断基準とNCEP診断基準の優劣を比較した報告も多いが(43-49)、IDF診断基準は、NCEP診断基準を凌駕せず、metabolically obese normal weight (MONW) individualsを見落とす危険が指摘されている。また、混乱する腹囲の診断基準に関して、2007年、アメリカ体重管理肥満予防協会、北米肥満学会、アメリカ栄養学会、アメリカ糖尿病学会は共同声明を発表し、その中で、腹囲の科学的な測定方法も腹部肥満を診断するための腹囲の科学的な基準値も確立していないので、現時点では、臨床現場で腹囲を測定することは特殊な場合を除いて有用ではなく、科学的な腹囲の測定方法と基準値を確立するための研究が必要であり、将来の腹囲基準値は、人種別、性別のみならず、年齢別、BMI別の複雑なものとなるであろうと指摘した。
日本のメタボリックシンドローム診断基準の問題点
2002年、日本肥満学会(JASSO)はBMI 25 kg/m2以上、内臓脂肪面積 100 cm2以上 (男女無差別)、腹囲 男性 85 cm、女性 80cm以上を「肥満病」と定義し(51)、2005年、メタボリックシンドローム診断基準検討委員会はJASSOの提案した「内臓脂肪症候群」診断基準を日本のメタボリック症候群診断基準とした。この診断基準の問題点を列記すれば以下のようになる。
メタボィックシンドロームという言葉は英独混用の日本語だ。英語ならメタボィックサンドロームと言うべきだ。
目次
次郎さんのメタボ体験
次郎さん倒れる 2
次郎さん倒れる 3
次郎さん倒れる 4
(敬称略)