白夜の北欧紀行




【北緯67度】
 時計は午後12時を回っているのに、外はまったく白昼、明るい。昼の喧噪が未だ続いている。北緯60゜を越えるヘルシンキは白夜の国だ。午前1時を回ってはじめて、夕方のようだ。でも午前3時には再び明るさを取り戻してきた。この間、完全な闇は経験されない。ちょうど、7月のこのころ夏至祭が行われており、一年中で一番昼の長い時期である。反対に冬に訪れたならば真黒の暗闇なのだろう。ロバニエミ、キッティラ(北緯67゜)まで飛ぶ予定なるも、夜の暗くならないのも善し悪し。一日中ボヤーとしているし、頭のなかまで睡眠不足でスッキリしない。でもこんな素晴らしい体験できるのにおちおち眠って何かいられない。できればオーロラやフィヨルドを実感してきたい。

【全身日光浴】
 街中は家も小さいが綺麗で、これも小さな芝生の庭がいづれも付属しており、芝生の上では真素っ裸のご婦人が日光浴にいそしんでおられる。長い長い何日も日の当たらない冬のため、思う存分太陽を浴びているのだ。夏の限られた時間しか日光を見ない北欧の国では、ストッリプなんて世間体を構っていられない。恥ずかしいことなんてちっともないんだ。それより自分自身の健康管理がまづ第一なのだ。

【北欧人の犬好き】
 どういう訳か北欧の人たちは犬がだい好きだ。飼い犬は全てよく訓練されており、飼い主の言うことをよく聞くし、従順である。ホテルのロビーに大きな奴がでんと座ってござる。会社に出勤するときもいつも犬と同伴である。会社のデスクの下には大きな犬がいてござる。タクシーの運ちゃんも勿論犬と同伴出勤。でも犬は会社で預かってくれるわけでなくタクシーの助手席に収まっている。タクシーに乗り込もうとしてびっくりするようなことがたびたびおこる、運ちゃんにはお客さんよりワン公のほうがよっほど大切なのだ。

【社会保障制度】
 社会保障制度はほぼ完璧に近い。そのかわり、給与から天引きされる税その他は重く(約50%に達する)ずさりとのしかかってくる。国民の大半は自分自身で預貯金をする代わりに、政府が預金してくれていると理解しているが。あまりにも発達した社会保障制度のもと、税金の使途の行方に厳しい目を光らせているが、うまく機能していない部分もあり、社会主義独特のサボタージの問題等で、いろんなことが包含されている。理想に近い国でもそれなりに悩みもあるものだ。

【レジャー・バカンスの問題】
 社会保障制度の充実も問題があるようだ。一般市民は重税に苦しみながら、預金に精をだしている。この預貯金は、日本人的感覚での預貯金ではない。子どもに美田を残そうと言うような考えは毛頭ない。彼らは年一回のバカンス旅行のため、レジャーのボートを購入し、セカンドハウスを手に入れるために一般的な話だが、少ない給料の20%以上貯金に廻すそうだ。ボートや別荘の所有なんて金持ちでもなんでもないのだ。ボートと別荘の両者の所有者は40%を越し、それぞれのいずれかを持っているものは70%に達するという。この地の人達は一年間働けば一ヶ月間の有給休暇がえられる。会社の経営者は、一年間働けば一ヶ月の休暇を与えなければならないと法律で定められているのである。普通この休暇は家族でのバカンスに当てられ、遠くは南フランスあたりまでキャンピングカーを引っ張って行くらしい。預貯金は全てこのバカンス旅行のため用意されているのである。預金して蓄えをしなくても、病気になれば、歳をとって働けなくなれば政府が全てめんどう見てくれる。一般市民はそう思っているし、そう信じているのである。彼らは今の生活を楽しむのがまず第一と考えているのである。ベネルックス3カ国の人たちにとって、輪廻転生の思想なんて全く無縁の存在なのだ。

【社会保障制度の矛盾】
 社会保障制度の発達した北欧の国では、またアル中のルンペンらしい、働かないものが公園なんかでごろごろしている。朝から酒を喰らい、全く働く意欲を見せない。彼らにも同じ条件で社会保障制度の恩恵が与えられるのである。一般市民は、働く意欲のないアル中の人達に対する保証が十分すぎるから、余計労働意欲を減退させていると冷ややかにみており、自分たちの蓄え(税金)が、そんな人達(アル中)のために浪費されているのではないかと心配しているのも事実である。まじめに働いても、働かなくても全て同じと言うことでは市民の不満も鬱積するするばかりだ。

【馬の置物】
 ノルウエーの田舎では、赤松で作られたウマの置物、小さいものから大きいものまでいろいろ見られる。赤、緑、紺、白の塗りがとっても素敵。ほんとの手づくり、あったかい北欧のぬくもりが感じられた。


ゾグネ・フィヨルド



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