香港電脳事情


 チャムスイッツイからネイザンロードをメトロに乗って北に向かえば、ほんの十数分でシムスイッポに着く。シムスイッポは旧空港の着陸コースの真下にあり、凄い騒音と、街独自の喧噪で、香港のあたらしいエネルギーを直接感ずる場所の一つであった。このあたりは以前からいわゆるオカマさん達が出没し、それに興味ある一部の人達には良く知られたところでもある。はっきり言えば、あまり雰囲気のよくないところだった。最近では、ビル内に、ゼットコースターのある商業ビルが出来たりして、昔の面影は随分すくなくなってきたが、それでもなにか胡散臭いニホイが付いて廻る街でもある。平成9年NHKで香港の電脳物語(海賊版CD)の特集があり、助平根性まるだしで、この地を訪れた。

 なるほど、地下の深水渉駅をおりると、青白き、いかにもマニアックな青少年がぞろぞろと進行方向から左に向いて歩いていく。この人の流れに乗っていると自然と目的の場所に知らずのままに運んでくれる。ここは香港の電脳の中心となったのだ。大阪の日本橋のような電脳中心の街なのだ。いやむしろ、日本橋にあった五階百貨店(8階建てとなって現在もあるが雰囲気が違う)のようだ。雑然とした雰囲気だけでなく、地下のCD-ROM、本屋、一階のハード屋、二階のペリフェリ屋さんがそれこそ間口一間でごまんとならんでござるし、お客さんもそれに劣らずわんさわんさと詰めかけてござる。いやはや、たいへんなにぎわいだ。街全体も屋台の雑貨屋や服屋など軒を並べ縁日の賑わいだ。

黄金商場ならびに高登電脳商場
 上の2つのビルにはいった。建物内はほとんどDVDのソフト屋。NHKのテレビを見ていたので、十数軒のそれらしき店で聞いてみた。何もこれらを求める気持ちは始めからなかったのだが、そこらあたりの事情の視察(?)のため片っ端から聞いて廻った。値段は1000円ぐらいで、ソフトの沢山詰まったCDをと。でも、どこででもあっさりと断られてしっまた。そんなものはうちにはないと。以前「一応隠れた場所」にあった不法コピーのCDは建物内には全く置いていない。中国製のマヌアルやガイドブックも全く見あたらない。DVDのソフトも「正式版」と書いてあるが、40HK$で正式版が買えるのかな、おすこし怪しい気がするが。マザーボードやケースなども少しは売っているが、あまり安くない、というより日本の店の方が安かったので(サンプル1軒)真剣に見て回るのをやめる。怪しげで面白げなパーツも見あたらない。新高登の方も似たり寄ったり、特別変わったことなし。NHKの放映の影響でこういう類のものは市場から一掃されたようだ。放映の善し悪しは別にして、健康なことは結構だ。ああシンド。(平成9年4月)

香港旅日記



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