フィヨルド物語
ゾグネフィヨルドは欧州最大だそうだ。水量ゆたかな、全く河のようだが、殆ど流れも見られない。観光船は静かに静かに流れるように進んでいく。まるで細長い湖のようだ。ゆりカモメだけが、何処までも何処までもついてくる。乗客のすてる、ゆでエビの皮をねだってついてくる。ホントに上手だ。数匹で取り合うこともあるが、滅多なことでは水面に落としはしない。カモメって雑食性なんだなあ。ビスケット、クラッカー、パンクズなんでもくらいつく。貰いの少ないときは、近くまで催促にやってくる。なんとづうづうしいやつだ。
船に乗ってのフィヨルドの航海はまるで琵琶湖でミシガンに乗っているような感じだ。安定している、揺れない、永遠の静寂の中をつき進んで行く。ただ違うのは、琵琶湖は風景が広がっているが、ここフィヨルドは山間の湖といった感じである。これが氷河が融けだして出来たものだろうか。そんな凄さなんて微塵も感ぜられない。全く平和な、長閑な風景である。
この穏やかなゾグネ、状況は一変する。そらそうだろう、ここは緯度62度を遥かに越える場所に位置しているのである。ヘリコプターに乗って上空より見れば、山の上はツルツル一大氷原なのだ。照り輝く太陽の下、氷以外何も見られない、白く青く、光り輝いている。本場アルプスでもこんな氷河は滅多に見られない。岩をくり貫いた滝、凄い水量の滝、船上からだけでは、こんなに凄いものだとは想像すら出来なかった。ここらあたりまで、緯度も上がればガルヘピケン(2469m)でも、アルプスの4〜5000mに匹敵する山容が見られた。フィヨルドは上空からヘリコプターに乗って見学するに限る。それでないと、その凄さが理解できないのではないか。