王様になった男
昔、カンボジアの田舎に野菜づくりの上手な農夫がいた。彼の作る野菜はそれはそれは美味しく近所でも評判になっていた。なかでもキュウリ作りにかけては、彼の右にでるものがいなかったというほど美味しいキュウリを作っていた。あるひ、王様が彼の噂を聞きついて、供のものともども彼の菜園にやってきて、この美味しいキュウリをご馳走になったという。王はこんなにも美味しいキュウリを他国に盗まれでもしたら、大変だと、農夫に刀を与え、もし賊が忍び込んだら、これで退治するようにと命令した。ある夜のこと、王様は真夏の激暑の中、大変喉が乾き、急にあの美味しいキュウリを思い出し、もう一度、どうしても食べたくなった。真夜中、王様はかの農夫のキュウリの菜園に忍び込もうとして、王の命令に忠実な農夫によってきられて命を絶ってしまった。王は自分の命令に忠実な農夫によって殺されてしまったのだ。後継の王を選ぶ段になって、適当な後継者がいなく、民衆によってこの農夫が王に選ばれてしまった。キュウリ作りの名人農夫が王様になってしまったのである。キュウリの原産地はカンボジアだと言われており、これに纏わる民話はいろいろあるようだ。実際のクメール(アンコール)王朝は26代続いたと云われている。過日偶然にも関西テレビでも、まったく同じ内容のことを放映していた。(TV4C・世界不思議発見・9/12/99放映)