ポルトガル紀行(ワイン紀行)


真夏の盆休み、西の最果て、ここに地終わり海始まる(カモンエス)国、かねがね気になっていたポルトガルの世界遺産を見学としゃれてきた。なにも暑い盛りに出かけなくてもと思うのだが機会を失えばまた何時行けるやも知れず、思い切って行って来た。事実エボラでは日中街路で46℃を越え大変暑かったが、それでも日没と共に涼しい風が吹き込んできて朝晩は凌ぎよかった。よく哀愁のポルトガル紀行とか云われ、郷愁を思い浮かばすようだが、短期間に十数カ所の訪問、何分の強行軍大変疲れた。

【往復の飛行機】

8/9 /00 
kix-rdn jl 421 12fg 13.00-17.00(1~5 F)
rdn-prt atp 5187 4ac 19.20-21.30
8/17/00
rsb-rdn atp 5156 2ab 14.40-17.10
rdn-nrt jl 402 32fg(Cの最後の席、33はY) 19.45-15.00
8/18/00
nrt-itm jl 153 12ef 17.55-19.00

【行き先ざき】

ミューニュ、ポルトからリスボン、エボラまで世界遺産5カ所見学、この間ワイン34本を開け、リスボンでファドを聞いてきた。

ギマランエス
ブラガ
ポルト
アベイロ
ブサコ
コインブラ
ナザレ
オビドス
シントラ
エストリル
ヴィラ・ヴィソーサ
エストモレス
エボラ
リスボン

【世界文化遺産】

ポルト歴史地区(ポルト)
感謝の修道院(バターリヤ)
ジェロニモス修道院とベレンの塔(リスボン)
夏の離宮・ベーナ宮殿・ムーアの城跡(シントラ)
エボラ歴史地区(アレンテージョ)

【ワインいろいろ】

ミーニョ地方のスチルワインは9〜10%と軽く、白は特に口当たりもよくホントに美味しかった。Vinhos Verdes のワインはグリーンワインとも云われ、果実臭が爽やかで口当たりが凄くよかったし、これならなんぼでもいける。

帆舟ラ・ベイロの浮かぶドウロ河(13艘ほど浮いていたが宣伝だけで実際の運行はされていない)、その右岸は世界遺産に指定されている。ポートワイン(ドウロ)は今まで誤解していたが、ネゴシアン・グラハム(左岸)を訪れた。ここで熟成さすらしい。グリーンワインとは対照的に濃度19〜20%に達し、ちびりちびりやるには美味しいものに違いなかった。甘くとろけるようでグイグイやるにはきつすぎるようだ。みやげに40年もの1本と1980年のヴィンテイジ1本買ってきた。

ブカコの荘園の中(国立公園)は素晴らしい。山全体が美しく、山頂の展望台からの FUSO(温泉があり、ここのミネラルウオーターは全国で売り出されている)の町並みおよび森の中のホテルはホントにきれいだった。カナダバンフ国立公園のスプリングホテルを思い出していた。またこの中のパラスホテルは建物や造作がクラシック調でいかにも周囲の庭園ともよくマッチし素晴らしかった。メインダイニングルームもいかにも調度品が中世を思わせるものばかりで、美しいアズレージョ、美味しいワインと最高の気分だ。このホテルだけで提供されるワインは自分の庭で出来るブドウより作られ、ここだけでしか飲むことが出来ないという。僕は赤の1982年を飲んだがまずは普通の味わいのものであった。でも気分は最高だった。ホテルは最高、部屋は最低、狭く屋根裏のような部屋だった。

作家の壇一雄さん(火宅の人・サンタ・クルスに約一年半ほど滞在していた)も飲んだと云うDAO(ダン)にも挑戦した。ちょっと酸っぱいが、あっさりして軽くて大変飲みやすい。8.5%と薄いので、酷暑の中、昼食からいくらでもいけるようだ。喉の潤しにはもってこいだ。

アフリカのエボラ出血熱じゃあるまいが、ここポルトガルのエボラは小さな古い城壁に囲まれたおとぎの国のような街、この地方アレンテージョのヴェルデはホントに素晴らしい。ちょっと薄いが、イギリスのワインコンテストで入賞したとか、ホントに旨かった。

ポルトガルのスチルワインは平均して軽くて美味しく飲みやすかった。それになにより値段が安すぎるぐらいだ。結構ではないか左党には堪えきれないだろう。fortified wine(porto) の方は大変濃く食前食後ともいけるようだ。ちびりちびりと寝酒にはもってこいだ。ただ、このポートワインはワインと言うよりもシェリー酒のようなものであるようだ。ワインと別枠に考えねばなるまい。

【ホテルいろいろ】ホテルと部屋の評価(100点採点法)

泊まったホテルは全て4〜5星クラスというのに狭く快適とは言えず、すくいはバスルームだけ。

LE MERIEN PARK ATLANTIC Port PORTUGAL 60/100点
 部屋の大きさはまずまず、決して豪華のものではなし。窓からの風景は40点。
HOTEL PALACE BUSSACO Bussaco 20/100 
 部屋は狭く、窓から庭が見えない、庭どころか山もなんにも見えない。つまり窓の外は崩れ掛かった古壁と屋根だけの屋根裏の部屋。窓からの風景は光が入り込むだけで10点。いい部屋もあるらしい(6室のみ)。残りの25室は部屋は同じ構造なるも、位置によっては庭園や山の風景が見られるらしい。
DA NAZARE Nazare 20/100
 これでも3星、窓はシャッターが降りており、開ければ隣家の2階、廊下を歩めば絨毯が軋むし、自動点灯システムなるため真っ暗、反応が遅く静止していると消灯する。窓からの風景は光が入り込むだけで20点。
DA CARTUX Evora 60/100
 まあまあ小奇麗なリゾートとという感じ、でも部屋は狭い。窓からの風景は広いホテルの芝生の庭だけ。50点。
ALTIS PARK HOTEL Lisboa 40/100
 部屋が絶対的に狭い、あまりにも狭いので室内でトランクを開けることが出来ず、ベットをくっつけ、片方に移動、室内にあった床頭台を窓枠に乗せ、椅子は机の上に乗せ、スペースをつくりトランクを開けた。窓からの風景は近くの高層ビルだけで50点。

【食べ物いろいろ】

昔から色々云われている。名物料理には旨い物なしと云われるがセジンブラでの大きな鰯の塩焼きは旨かった。一度に5匹も食べた。ここではいろんな種類の魚をコークスのような炭で豪快に岩塩を振り掛けて目の前で焼いてくれる。レモンを搾りかければ日本人の舌にもピッタリだった。リスボンではタコ飯を食ったが、さしずめタコ入りチャーハンと云ったとこで、旨かった。最中・カステラも食べた、甘いものが好きなポルトガル人でも若い子はスマートで背も高い。ラテン系も随分と体位が向上したようだ。エボラで中華料理を食したが春巻きはジャンボで5X15cm位のでかいやつだった。中華専門店でウエイター、ウエイトレスは中国人のようであったがこの店には mastard がなかった。変な店だったが美味しかった。

【見所(みどころ)いろいろ】

各種伝説奇跡の話は面白い。奇跡の登場人物の一人は92才で今でも元気に生きておられると言うのも興味深いものであるが、やはり古い教会とか王宮に限る。どんな小さな街にも教会があり、それぞれその内部は豪華絢爛たるものであった。建物の建築様式は、ベネディクト・リートを彷彿されるマヌエル方式の回廊、ロマネスク、ゴシック、マヌエル、ルネッサンス・バロック、アール・ヌウボー等の各様式が直接比較され大変興味深い。一つの建物の中に異なる様式の建築物が同時に観察でき、それが奇妙に全く旨く調和しており、複雑系の調和の様相をかいま見ることが出来る。各種様式が見られるが、ことにマヌエル様式が傑出しているようだ。建築とか中世の歴史に興味のあるものにとっては堪えきれないだろう。僕にとっては猫に小判だった。

アレンテージョの田舎の風景も見物の一つだ。緩やかな起伏の何処までも続くコルク樫の木の林。可哀想に生き皮を剥がれた木々、やはりこれは一つの絵画だ。

ポルトの旧市街、リスボンのアルファマもエキゾチックだ。この地区では特に歴史上日本のみならずアフリカとの関係も密接で特に都市区ではラテン以外多数の人種も見かけられた。

結局ポルトガルは、ヨーロッパでは田舎で生活レベルが低いと云われてきたが、短期の旅行にせよ、大変落ち着いた物価の安い、人情厚い落ち着いた国のように肌に感じられる。決して文化レベルは低いものではないようだ。人の温もりを感じさせる。中央ヨーロッパに比べて貧しいかも知れないが、何事においても文化水準はより高いものと推察する。何分1543年からのお付き合い、自然と親しみを感じるのも当然のことだ。8/20/00

FADO
ワインの話
火宅の人壇一雄


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