タイ東北部を旅して
1999.2.27 kix-bkk JL727
1999.3.4 bkk-kix JL622
ナコンラチャシマ(ShimaTaniHotel)
タイ東北部の遺跡を見学した。バンコックからナコンラチャシマまで車で約4時間(飛行機だと約30分)、高速道路は快適だった。立ち並ぶ道路沿いの屋台の果物店には、大きな大きなジャックフルーツが売られていた。日本ではあまり見かけないが、大きいものでは数十キロにも達するという。とくに美味なるものではないが、あまり癖もなく美味しくいただけだ。もしこれが冷やされ冷たいものならばもっと美味しいものであるに違いない。また、この時期、果物の王様ドリアンも多数見かけられ、どうしたわけかタイのドリアンはその特有のニホイがあまりしなかった。でもバナナ以上にカロリーたっぷりだ。
ピマイ(ミニアンコールワット)
特にピマーイの博物館の収集品には見るべきものが数多く、ここだけで堪能できた。最高神アハーラージャが宇宙を造り世界を創造する天地創造”乳海撹拌”の神話やマハーバーラタやラーマーヤナの物語等の立派な素晴らしいレリーフに酔うことが出来る。アンコール王朝ジャハルバルマン7世(アンコール・トム)の力強い、逞しい像(これはオリジナルで遺跡の中に見られるのはそのコピーだそうだ)が見られる。とにかくピマーイの博物館は一見の価値があるというものだった。
遺跡の方は良く修復されており、ミニアンコールワットと言うような印象を受けた。水の神の使い手であるナーガにまもられ、シヴァ神やビシュヌ神などの神々、奔放に自由に立ち踊るアプサラ等すべてアンコールワットでみられたクメールのものと全く同一だった。迫り出し工法による、このピマーイの遺跡はアンコールより数百年古くからできたもので、そのラテライトの砂岩からなる赤褐色の色といい全くアンコール・ワットの縮小版であった。
バノム・ルン
この神殿は、アンコールと同時期の12世紀頃のもので、小高い丘の上に建設されたので、ここから遥か向こうにカンボジアの山々が望見される。カンボジアはもうすぐそこなのだ。昔はここら辺り一帯はクメールの文化圏であったに違いないことが良く理解される。神殿の中央には聖牛がどんとおかれ、シヴァのシンボルであるリンガが屹立している。破壊の神シヴァは聖牛ナンディンに乗ってリンガ・ヨネ思想の根源をあらわすと言われているが、全くその通りだ。
この神殿の2番目の門の真上に水上に横たえるナーライ神(アユタヤのナーライ王朝と同じ名前)のレリーフが見られた。豊満ななめらかなタッチで描く、このクメールの特徴を良く伝えるレリーフにまつわる面白い逸話がある。1970年代の始めには、このレリーフが行方不明になっていたという。ところが、タイの人文学者がアメリカ旅行中、シカゴの博物館でこのレリーフを発見したという。どういう経緯で海外に持ち出されたのかは解らないが、とりあえずシカゴで見つかったのである。これ以来、タイ国民あげての返還運動が起こり、なかには人気バンドによる返還要求の歌がヒットしたりして、このレリーフ、元の鞘に収まることになった。盗難にあってから実に20年ぶりのことだった。大変目出度い話である。レリーフのレプリカは正面右側の休憩所の前に置かれている。思い浮かぶのは、東博、京博や国内の有名な美術館(倉敷大原美術館等)にある中国古来の仏像など、どういう経緯で日本に入ってきたのだろうか。麻薬に絡む貨幣のロンダリングやあるまいし、美術品のロンダリングなどあっては決してならない。
ムアン・タン
2〜4月の満月には、日の出、月の出が遺跡の中央神殿の中心の一直線上に並ぶという。勿論時間的制約もあり経験することが出来なかった。赤いラテライトと砂岩、周囲をとりまく池とのハーモニー、おそらく満月の夜は素晴らしい光景であるに違いない。
タイの変化
タイは訪れる度に変わっている。変化している、昔のバンコックではない。ものもらい、乞食の数は激減したというよりかいもくだ。街中も蝿が少なくなり、蚊などすっかり見かけられなくなってしまった。高層ビルが立ち並び、高速道路が縦横に走っている。気温の高いことを除けば、東京とちっともかわらない。タイはアジアの経済をリードし、支配する立場にたったのだ。バーツは周辺のどの地域でも通用(円の使用できない地方でも)するし、円よりも強いかも知れない。しかしチャオプラヤ河は汚いし腐臭が満ち溢れている。屋台やナイトバザールにはアジアの臭いが立ちこめ、かたやオリエンタルホテルは、あいかわらず奇麗で清潔感に溢れている。タイのバンコックは新しい時代の近代化と古い時代の怨念とに生きる混然とした街であるに違いない。
タイの経済力を象徴しているかのように、イサーン地方の遺跡は良く修復されている。どこもかしこも奇麗で良く保存されている。まことに素晴らしい。文化のレベルも高いことだが、経済的にも随分豊かなのだろう。(2/4/99)
タイの花
タイ最初の大学
サダルストリート
タイの骨董屋
タイとカンボジアのハザマ